ゲーミングPCのパフォーマンスはGPU性能で大勢が決まるが、最近のゲームではCPUの馬力も必要だ。前回は、人気FPSゲーム「Overwatch」でのパフォーマンスがCPUの選択でどう変化するのかを調査したが、今回はまた別のゲームから同様のテストを実施してみた。最新PCゲームにおいて強いCPUはどれなのか? 高性能グラフィックボードのパフォーマンスを絞り出せるCPUはどれなのか? インテルのCore i5/i7とAMDのRyzen 5/7を対決させてみた。
Core i5-7600KからRyzen 7 1800Xまでを比較
今回準備したCPUや検証環境を紹介しておこう。グラフィックボードは描画がボトルネックになりにくいよう、現状シングルボードで最速となるGeForce GTX 1080 TiのOC版(ASUS製)、メモリーモジュールについてはDDR4-2400なのは前回と同じだが、今回はDRMの縛りが発動しないようCPUは厳選し、Coreプロセッサー側はCore i5-7600K以上で、Ryzen側はRyzen 5 1600X以上の高パフォーマンスモデルを揃えた。
【CPU】
・Core i7-7700K(4.2GHz、最大4.5GHz)……実売価格 4万円前後
・Core i5-7600K(3.8GHz、最大4.2GHz)……実売価格 2万8000円前後
・AMD Ryzen 7 1800X(3.6GHz、最大4.0GHz)……実売価格 5万5000円前後
・AMD Ryzen 7 1700X(3.4GHz、最大3.8GHz)……実売価格 4万3000円前後
・AMD Ryzen 7 1700(3.0GHz、最大3.7GHz)……実売価格 3万7000円前後
・AMD Ryzen 5 1600X(3.6GHz、最大4.0GHz)……実売価格 3万円前後
【その他の環境】
CPUクーラー:ENERMAX「ETS-N31-02」
マザーボード:ASUS「PRIME Z270-A」(Intel Z270)
ASUS「PRIME X370-PRO」(AMD X370)
メモリー:G.Skill「Trident Z RGB F4-2400C15D-16GTZR」(DDR4-2133、XMP適用時2400)
グラフィックボード:ASUS「ROG-STRIX-GTX1080TI-O11G-GAMING」(GeForce GTX 1080 Ti)
ストレージ:Samsung「960 EVO M.2 MZ-V6E500B/IT」(NVMe M.2 SSD、500GB)
電源ユニット:Cooler Master「V650 Semi-Modular RS650-AMAAG1-JP」(650W、80PLUS GOLD)
OS:Windows 10 Pro 64bit版(Creators Update適用)
FF14最新ベンチマークで性能差をあぶりだす
まずは「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」の公式ベンチマークで力比べをしてみよう。“紅蓮~”の公式ベンチマークは先代“蒼天のイシュガルド”と重さ的には大差ないため、描画システム的な新しさはないが、スコアーが1万ポイントを超えたあたりからCPUの力比べ的な側面が出てくる。今回はGPUがGeForce GTX 1080 TiなのでフルHD&“最高品質”設定でも1万ポイントオーバーは楽勝。CPUパワーがゲームのパフォーマンスに及ぼす影響を比べるには、非常によい題材と言える。
解像度はフルHD/WQHD/4Kの3通り、画質設定は一番重い“最高品質”とその2段下である“高品質(ノートPC用)”でそれぞれスコアーを計測。今回のスコアーが出た際の平均フレームレートも合わせて比較してみる。
GeForce GTX 1080 Tiを使っているため、CPUのチョイスに関係なく最高品質設定でも“非常に快適”判定(7000ポイント以上)が獲得できたが、描画負荷が低いほどCPUの違いがスコアーに反映された。スコアーが高くなって差がわかりにくいが、平均フレームレートで比べてみると、最高品質設定の場合はCore i7-7700KとRyzen勢の差はざっくりと20fps程度の開きがある。4K解像度になるとスコアーも平均fpsもほぼ横一線に並ぶのは、GPU側がボトルネックになってしまい、CPUの差が出づらくなったためだ。
FF14ベンチマークの場合、コア数(マルチスレッド性能)ではなく、CPUの動作クロックやコアそのもののIPC(Instructions Per Clock=1クロックあたりの実行命令数)の高さが高スコアー獲得のカギであることは間違いない。その意味ではCore i7-7700Kはコスト的にも非常に優れたチョイスと言えるだろう。
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