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Acerの超ド級ゲーミングノートが日本上陸だっ!!

Predator 21X 実機レビュー 世界初の湾曲ノートPCはシネラマ気分で超爆速だった!!

2017年06月08日 12時00分更新


 世界に類をみない「湾曲ディスプレイ」を搭載したモンスターノート「Predator 21X」は、2016年秋にベルリンのIFAで発表となり、PC業界を震撼させた.米国ではすでに発売しているが、日本にも到着したので、実機インブレッションをお届けする.

世界で1つの湾曲液晶搭載ノートは
21対9でまさにシネラマ

 21X最大の特徴はもちろん湾曲ディスプレイを搭載したノートPCであることだ.単体としての湾曲ディスプレイは多数出ているいるし、海外では湾曲一体型PCも発売となっているが、液晶がパタンと閉じるクラムシェル型ノートは世界初なのである.というか、湾曲ディスプレイをノートに搭載しようというところで、すでにAcerの発想力は一線を越えているだ.

 搭載している湾曲した21型ディスプレイは2560×1080ドットという横長設計で、比率でいうとほぼ21対9となる.実際にマシンの前に座るとかなり横長に感じる.おれたち世代としては、気分はまさに「シネラマ」なのである.
 表示部分を測ってみると、縦208ミリで横は488ミリだから、16対9の17型ディスプレイをそのまま左右に伸ばしたといってもいい感じ.カーブの度合いは2000R(半径2メートルの円弧)なので、囲まれている感じまではいかない.IPS120Hz駆動でG-SYNC対応.色域はAcer ColorBlast技術によって、NTSC94%、sRGB130%を実現しており、写真を表示するととても鮮やかである.

45W駆動の4コアCPUに
GTX1080はなんとダブル搭載

 試用機にはTDP45Wの4コアCPUであらせられるi7-7820HKを搭載.そしてGPUは NVIDIAのGeForce GTX1080をSLIで2チップ搭載し、VRAMは16GB.メモリーは2400MHzのDDR4で64GB内蔵.SSDはNVMeの2枚載せまたはSATA4枚載せでRAID0構成が可能.もちろんHDDも搭載できる.ノートPCのスペックとしてはまさに頂上を極めている.というかノートを越えてしまっている.
 オーバークロックも可能で、ターボモードではCPU4.3GHz、GPU1730MHz、VRAM5.4GHzとなる.RAIDといいOCといい、湾曲ディスプレイにするからにはすべてを超高速化せずにはすまさない心意気がいいのだ.
 液晶上部にあるのはフツウのWEBカムだが、液晶の下部には眼球の動きをキャッチする特殊センサーを使ったTobii EyeTrackingを搭載している.Windowsのコントロールを視線で行うこともできるし、対応ゲームでは視線プレイ(?)も楽しめる.ちょっと未来な感じなのだ.

EyeTrackingの設定メニューでONにすれば、ウィンドウの切り換えやマウスの動きを「視線」でアシストできるようになる.

 音も最高レベルをうたっており、左右にツイーターとミンドレンジを2台、中央にサブウーハーを2台の合計6台を内蔵.ズドンと迫力のあるサウンドが鳴り響く.
 PCの状態はPredatorSenceというアプリを使ってモニターできるほか、キーボード照明色やファンコントロール、オーバークロックまで1本で設定できるのは、面倒がなくていいのだ.

PredatorSenceの設定画面4種.CPUの温度と動作状態、キーボードやファンの照明色の設定、オーバークロックはCPUとGPUを別に設定できる.

 本体左側にはType-A×2、マイク、スピーカー、SDカードの端子が並ぶ.右側にはType-A×2とケンシントンロックのみ.えっこれだけ?と思ったら、背後にたくさんありました.
 背面にはACアダプター端子が2つに、RJ45イーサネット、Type-C×1にDisplayPort1.3×2、HDMIのV2.0が並ぶ.もちろん外部ディスプレイを3台接続してのゲームプレイも可能なのだ.

背面の左右は排気口で、中央にコネクターが並ぶ.

DisplayPortとHDMI、Type-Cを使って3面ディスプレイ環境も構築可能.

横幅は57センチ
重量も超ド級の8.8キロ

 本体のサイズだが、みなさんの想像のとおりデカい.横は568ミリで奥行きは315ミリもある.13型ノート2台ぶんの底面積だ.厚みも最大83ミリと、湾曲ディスプレイの奥行きが効いている.
 重量は、みなさんの想像を超えたであろう、8.8キロ!! 軽量ゲーミングノートの4台分で、持ち上げるのは勇気が必要.片手で保持して歩けるが、危険なのでカッコをつけるのはやめたほうがいい.

液晶が湾曲しているので、閉めてもキーボードが見えるのだった.

 内蔵バッテリーは88Whで、巨大なACアダプターはなんと330Wで、2台接続する.1台で1.1キロあるから、本体と合計で10キロを越えることになる.駆動時間は公開されていないが、GPUの働き方によるだろう.この液晶サイズも考えると、通常使用でも2時間もてば合格だ.
 キーボードはメカニカル・タイプで、打鍵感はノートの比ではないくいい、というかヘタなデスクトップ用の平たいキーボードよりもとてもいい.ただし、キーボードが本体の最前列にあるので、手首を置く場所がないのが難点だ.

 右側のタッチパッドは、手前から持ち上げると外れる.裏面がテンキーになっていて、必要ならそちらを使えるのだ.ただしキータッチはメインキーボードほどよくはない.タッチパッドも手前にあると手首の置き場がなく、操作しにくいので、ここはテンキーにして、ゲーミングマウスをつなぐのが21Xらしいだろう.

 ゲームやヘビーな3Dベンチを動かしてみたが、排気は背面から出るものの、それほど勢いはなく、排気音も気にならない.試しにPredatorSenceで排気を最高にしてみたら、けっこうな音と風が背後から出てきた.内部にはヒートパイプ9本にファンを5基搭載しているのだが、ベンチマークでブンブン回らないということは、熱処理設計がうまくできている証拠だ.
 みんなの大好きなベンチは時間の都合で十分にとれなかったのだが、3D Markでは、7820HK+GTX1080のトップエンドゲーミングノートより30~50%速い数値が出た.デュアル1080によるSLIの威力と、オーバークロックが効いている.
 米国では1TDSSD+1TBHDDの構成で約9000ドルということなので約100万円.なのに在庫切れで売り切れ中である..日本での発売も待たれる逸品なのである.

 と、ドリームマシンはおいておいて、Acerは6月7日に新Predatorを発表した.デスクトップのG1国内生産モデルにヘッドセット、バックパック、キーボード・マウスセットも登場したので、ファンのみなさんはぜひチェックしてみてほしい.

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