トーマツベンチャーサポート関西地区リーダーの権基哲(コン キチョル)です。関西のベンチャー界隈を発信していくシリーズの今回は、「関西IT系ベンチャーマップ~神戸・京都編~」です。
(お断り:本記事における意見は筆者の独自のものであり、筆者が所属するトーマツベンチャーサポート株式会社およびその関係会社の公式見解ではありません)
第21回~大阪編~が大好評でSNSでのシェアも2000を超えたそうです。本当に嬉しい限りです。SNSでもやはり「京都もやらないの?」、「神戸は?」という声もあり、前回もご紹介しましたが、地方ベンチャーにとって自社の情報を全国に発信するというのは難しいことです。「どの地域で何をやっているの?」、「受託会社なの?」、「自社サービスを持っているの?」といった質問をされることがよくあります。
そんな地方ベンチャーの課題を打破すべく、地域ごとのベンチャーマップを掲載しております。そして今回は神戸と京都の”熱いIT系ベンチャー企業”に焦点を当てたベンチャーマップ~神戸・京都編~をご紹介します。
本稿でのベンチャー企業とは、シード(プロダクトがあり)から上場前の自社サービスを持つITベンチャーを指します。大阪編では数が多すぎるのでアーリー(プロダクトがあり一定程度売上が継続計上されている)からにしておりましたが、今回はシードを含めます。
京都エリアのベンチャーマップ
まずは京都エリアのベンチャーマップを見てみましょう。
京都駅前の下京区や、そこから北方面の中京区にベンチャー企業が集中していますね。このあたりはインキュベーション施設も多く、京都リサーチパークなどのインキュベーション施設に入ってる企業も多いですね。また、京都大学などの大学が近くにあることで学生との交流も進んでいます。
京都駅から離れた地域では、大阪、京都、奈良の県境付近で3府県8市町等が関西文化学術研究都市における研究施設の集積等を活かし、産学公連携で研究成果を活かした産業集積を目指す“けいはんな地域”があります。この京都部分では“けいはんなプラザ”や“NICTオープンラボ”などの研究型インキュベーション施設があり、今回はITベンチャーということで少ないですが、技術系ベンチャーが多数在籍しています。
京都では、そのほか女性起業家支援、産学連携の推進などベンチャー企業支援を行なう環境やプログラムが豊富という点にも着目したいですね。
神戸エリアのベンチャーマップ
次に神戸ベンチャーマップです。JR三ノ宮駅付近にベンチャー企業が集中していますね。神戸のベンチャーは大阪~三ノ宮の沿線沿いにかけて広がっているようです。
神戸では、ハーバーランドにある神戸市産業振興センター、六甲アイランドにある神戸ファッションマート、新長田にあるシューズプラザの3つのインキュベーション施設からなる通称SOHOプラザが“中小企業支援センター”に指定されおり、中小企業をはじめ、ベンチャー企業や起業家を支援していく施設が多いという特徴があります。
また、ITを活用し革新的なビジネスを生み出そうとするスタートアップを支援するため、ミント神戸14階の神戸スタートアップオフィスでアクセラレーションプログラムを実施しています。さらに、神戸から世界へイノベーションを起こすべく、500KOBE ACCELERATORというアクセラレーションプログラムも盛り上がっており、神戸のスタートアップに対する土壌はとても良好であるといえます。
以上関西ベンチャーマップ~京都・神戸編~でした。
神戸、京都は大阪に比べるとIT系ベンチャー企業の数自体は少なくなりますが、ここから世界へ革新を起こす企業が現れることに期待が集まります。
というのも、前述したとおり、神戸では500KOBE ACCELERATOR、京都では世界から注目される文化や産学連携の推進などベンチャー企業支援を行なう環境やプログラムが豊富なのです。
今後の神戸・京都ベンチャー界隈の動向に括目してください。
また少し視野を広げてみると、姫路や京都のけいはんな学研都市などの場所でもベンチャー企業が活動しています。機会があればアップデート版などで更新していきたいと思います。その頃にはより多くの企業が掲載されていると思いますので、どうぞご期待ください。
権基哲(トーマツベンチャーサポート)
2007年大阪市立大学経済学部卒。2008年に公認会計士試験合格後、大手監査法人にて製造業、卸売業、小売業、金融機関と多様な業種の会計監査を行う。IPO支援として内部統制構築支援、上場準備監査にも従事。2013年よりトーマツベンチャーサポート株式会社関西支部の立ち上げを行い、2015年より関西事業部の責任者として活動。大企業とベンチャーをつなぐ「Morning Meet up」、2014年には地方のベンチャーキャピタル向けプレゼンテーションイベント「全国StartupDay」、2016年より大阪市シードアクセラレーションプログラムの統括責任者をそれぞれ務める。専門分野はビジョン組織構築、スポーツ、シェアリングエコノミー。
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