倶楽部のAV特集 第1回
東芝「レグザ X910」から始まる大画面有機ELテレビの時代
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本日は、ASCII倶楽部で3月3日に公開した「東芝『レグザ X910』から始まる大画面有機ELテレビの時代」を紹介します。
次世代テレビとして注目され、国内メーカーの多くが量産化を目指しながら断念した過去を持つ大画面有機ELテレビ。
2016年、ついに量産化を果たした韓国のLGエレクトロニクスが有機ELテレビを国内でも発売し、その高画質は大きな話題となった。
そして、2017年。国内メーカーが一度は断念した有機ELテレビが登場する。アメリカで開催された「CES 2017」では、パナソニックやソニーも海外向けモデルを発表していたが、国内向けモデルとしては東芝が3月に製品を発売予定。一番乗りを果たすことになった。
そこで、東芝の有機ELテレビ「レグザ X910」シリーズと、同時に発表されたハイエンド4K液晶テレビ「レグザ Z810X」の両方を詳しく解説していく。
有機ELは自発光型パネル
最大の特徴は圧倒的な高コントラスト
ディスプレーパネルとしての有機ELは、実はすでに身近な存在だとも言える。スマートフォンで有機ELディスプレーを採用したモデルは少なくないし、さまざまな機器のディスプレーとして案外多く採用されている。この理由は大画面化が難しく、大画面テレビのための表示パネルの量産ができなかったためだ。
このため、有機ELの名前を聞いたことのある人は意外と多いはず。しかし、ディスプレーパネルの性能や特徴まで詳しく知っている人はあまり多くないだろう。
薄型テレビ用パネルの主流である液晶は、パネル自体は発光せず表示のためにバックライトと呼ばれる光源を必要とするのはご存じの通り。
これに対して有機ELは自発光型なので光源を必要としないため、液晶テレビよりもさらなる薄型化が実現できる。そんな薄さを活かして、折り曲げや、丸めてたためるようなフレキシブルディスプレーのような製品まで研究されている。
そして、自発光型なので視野角フリーだ。液晶にも視野角の広いIPS方式もあるが、VA型などでは斜めから見ると色が抜けたり、コントラストが低下したりと映像の見え方が変化してしまう。
自発光型ならば斜めから見ても色やコントラストの低下はほとんど生じない。置き場所や見る位置によって、画質が変化してしまうことがないのは広いリビングではかなり有利なものと言える。
このあたりの特徴は、同じ自発光型であるプラズマテレビと同じ。プラズマテレビを使い慣れていた人ならば、有機ELが自発光型であるというだけで期待度が高まるだろう。
プラズマテレビは画素のひとつひとつでプラズマガスを励起させ、蛍光体を刺激して発光させるという仕組みを持つが、有機ELはその名の通り電気を通すと発光する有機素材を使うため、構造もそれほど複雑ではなく消費電力でも有利だ。
そして、プラズマテレビが撤退した大きな原因でもある高精細化にも対応できる。
自発光型ならではの広視野角で、高精細化に対応でき、低消費電力という点でも優秀。つまり液晶やプラズマの抱えていた弱点を克服したような特徴を持ったディスプレーが有機ELなのだ。
そして、最大の特徴と言えるのが「高画質」だ。コントラストは白と黒の明るさの比率を表すものだが、有機ELテレビは画素単位で黒が完全な「0」(無発光)を実現できるのでコントラスト比は無限大ということになってしまう。
プラズマテレビもコントラストの高さは優れていたが、プラズマ放電のために常時予備放電を行なうため、完全な黒を実現することが難しかったのだ。
液晶テレビは光源となるバックライトの光漏れのため、完全な黒の再現は難しい。バックライトの点灯エリアを分割し、ある程度のエリアごとにバックライトを消灯して暗い部分の再現性を高めるのが精一杯だ。
この圧倒的なコントラスト性能がどんな画質を実現しているのかは、後で詳しく紹介しよう。
有機ELテレビ「65X910」と液晶テレビ「58Z810X」の違いは?
今回紹介するのは、65V型の有機ELテレビ「65X910」(実売価格 97万円前後)と、58V型の液晶テレビ「58Z810X」(実売価格 37万7000円前後)。有機EL、液晶とパネルこそ違うものの、どちらも東芝のREGZAの最上位モデル。その違いを比較しつつじっくり紹介していこう。
まずはラインアップ。有機ELのX910シリーズは、65V型と55V型の2モデルとなる。55V型は実売価格 75万5000円前後だ。
液晶モデルのZ810Xシリーズは、65V型、58V型、55V型の3モデル。65V型は実売価格 68万円前後、50V型は45万円前後となる。
両方のモデルを並べてみると、よくわかるのがデザインの違いだ。X910シリーズはスタンド部分が画面と揃ったフラットなものになっていて、スタンド自体も薄くほとんど存在感がない。画面周囲のベゼルが細いこともあり、画面だけが浮かんでいる印象が強い。
そして、横からみると上部の薄さに驚かされる。バックライトが不要なため、これだけの薄さを実現できているのだ。実際に見るとかなりの薄さになっていることがわかる。
Z810Xシリーズはベゼルはやや太くなるが十分に細枠のノイズレスデザイン。スタンドは従来のモデルを踏襲し、細身の金属で構成されたアーチ状だ。こちらの方がオーソドックスなデザインと言えるだろう。
背面にある入出力端子は、HDMI入力4系統、ビデオ入力1系統、光デジタル音声出力1系統、タイムシフトマシン録画用USB2系統、通常録画用USB1系統、LAN端子などがある。
これについては、65X910と58Z810Xのどちらも同じだ。4K放送を受信するためのスカパー! プレミアムサービス用のアンテナ入力を備えるのも共通。このあたりの装備としては、いわゆる4Kテレビとして不満のないものだ。
端子の配置などを見てみると、65X910と58Z810Xはウリ二つとなっていることがわかる。2つのモデルで回路基板などを共通化する合理的な設計と言えるが、つまり、パネルに関連する部分を除いて、機能や装備なども共通となっている。
価格的にもX910が格上だが、Z810Xが劣るというわけではなく、それぞれが最上位モデルとして作られていると考えていいだろう。
続きは「東芝『レグザ X910』から始まる大画面有機ELテレビの時代」でお楽しみください。
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