JOLED(ジェイオーレッド)は5月17日、世界初の印刷方式を採用した有機ELパネルを開発し、4月からサンプル出荷したと発表した。サンプル価格は60~100万円程度。
今回出荷を開始したのは医療モニター用途を想定した4K、21.6インチのパネル。ソニーの採用が決定しているという。
JOLEDはソニーやパナソニックなどの合弁により2015年に誕生。印刷方式を含む有機ELパネルの技術開発を主目的としており、2015年3月に印刷方式の12.2インチ フルHDパネルを開発した。
2016年1月には19.3インチの4Kパネルも試作し、2016年9月にパイロットラインを整備した。このパイロットラインで製品開発を行ないながら、製品の小ロット生産も行なう。
同社代表取締役社長の東入來信博氏によれば、現在実用化されている有機EL技術は、サムスンなどのFMM-RGB蒸着法とLGなどの白色EL蒸着法という2通りあるが、前者は10インチ以上の大型サイスはプロセスの問題で難しく、後者は構造上の制約や品質の問題で小型化が難しいという。
この点、印刷方式は大型から小型まで生産が可能だが、今回は蒸着法では難しい中型パネルから製品化を開始。現在は220ppi程度の細かさを実現可能としているが、将来的に400ppi程度までの精細さは実現できるという。
直近は20~32インチクラスを中心に、ヘルスケア診断用モニターやゲーミングモニター、車載向けモニター用途のパネルを開発していくという。
テレビ向けなどの大型パネルについては、ビジネスとして成立するかも含めて検討していくとし、スマホ向けなどの小型パネルについては開発上の課題が多く、実用化には数年かかる見通しだ。
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