大手企業やベンチャー企業を巻き込み、オープンイノベーションを支援のプラットフォームサービスを展開するCrewwによる、カンファレンスイベント“OPEN INNOVATION CONFERENCE 2017”が2017年4月25日に開催された。自前主義の脱却や新しい技術への対応など大手企業とベンチャー企業のマッチングによる協業で新規事業創出が求められている中、なかなか“成果”として表に出てくるものは多くはない。
Crewwは過去4年間で80社以上の企業のアクセラレータプログラム実施を支援し、約300件の大手企業とベンチャー企業のコラボを生み出してきた。OPEN INNOVATION CONFERENCEでは、その中から成長性、シナジー、将来性などを考慮し、7つのコラボ事例を紹介し、“Creww Award 2017”を選出した。
アワードのウイナーに選ばれたのは、ドレミングとセブン銀行のコラボ事例のリアルタイム振込機能の活用だ。2016年にセブン銀行が行なった“新規事業創出プログラム”をきっかけに協業の事業化を進め、2017年4月21日にセブン銀行から『「リアルタイム振込機能」の活用についてドレミングと基本合意』が発表されたものだ。
ドレミングは貧困格差を減らすため金融のサービスを開発する福岡発のベンチャー企業。従業員が退勤した瞬間に日次での給与の手取り額を算出する“即払い給与サービス”をクラウ ド型勤怠・給与計算プラットフォーム“Doreming”にて提供している。セブン銀行は、ドレミングの即払い給与サービスと連携により、即時振込みを可能にするリアルタイム振込機能を2017年秋に実装する。
ウイナーに選ばれた理由として、銀行というスケールの大きなビジネスモデルに対して大手企業とベンチャー企業のオープンイノベーションの実例が出たことが評価されていた。新規事業としてはこれから始まることもあり、本当の成果を出してほしいとの声も上がっていた。
そのほかキヤノンマーケティングは見守りIoTサービスなどを展開する、Z-Worksといっしょにカメラや画像認識技術を生かし、介護現場のシステムを提供するヘルスケアプラットフォームの実現に向けて検討を続けている。
またケイ・オプティコムはWebRTCを利用した動画チャットプラットフォームを展開するFacepeerとクラウドソーシングサービス“シュフティ”を運営するうるると連携して、英語スキルをもつ主婦を対象に在宅で翻訳できるサービス“クラウド翻訳”のトライアルを実施して、新規事業を展開した。
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