中小企業が自社の特色や強みを出すために、キャッチコピーや文章にこだわるのは常識。そのうえ、さらに認知度を上げるために有効なのがビジュアルだ。最近は動画が流行っているが、イラスト・マンガも昔から根強い人気。今回は、そんなイラストやマンガをプロに発注できる「whomor(フーモア)」を体験してみた。
whomor | |||
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プラットホーム | ウェブ | 企業名 | 株式会社フーモア |
代表取締役 | 芝辻幹也 | 設立 | 2011年11月11日 |
取引形態 | BtoB | 利用料金 | 要見積もり |
イラストや漫画制作のプロにビジネス発注できるサービス
筆者は「原価BAR」という飲食店を経営しているのだが、認知してもらうのになかなか苦労している。名前の通り、商品を仕入れ値で販売するのだが、当然利益が必要。それは入場料として高めのチャージを頂く仕組みになっている。しかし、ふらっと入ってきたお客様に入場料の話をすると、ビールが180円とかウイスキーが50円、ハッピーアワーならハイボールが10円と説明する前に帰られてしまうことが多い。
いろいろなサービスを利用して認知度を向上させるためにがんばっているのだが、そのアンテナに「フーモア」というサービスがひっかかった。イラストやマンガの制作をプロに依頼できるという会社だ。
映像での発信は、以前から興味があった。チャレンジもしたことはあるのだが、クラウドソーシングではいい人が見つからず、直接の知り合いに頼んだときは締め切りなどがぐだぐだになってしまった。そのため、プロに依頼したいという欲求はあったのだが、漫画家の知り合いもいないし、いたとしても価格がいくらになるのか怖いところだった。しかし、企業であれば気軽に見積もりを取れる。
株式会社フーモアは2011年11月に創業。創業者の芝辻氏はアクセンチュア出身であり元漫画家という経歴で、イラストや漫画を制作するサービスを提供している。
最近、ネットで漫画のプロモーションを見かけることが多い。一発で商品の内容を理解できるし、登場人物と一緒に疑似体験もできる。とにかく商品について読んでもらえるハードルが下がる点がメリット。初回打ち合わせでは、CVR(コンバージョンレート)が向上した成功事例を教えてもらったが、それも納得だ。
気になる価格だが、もちろん内容やページ数、カラーかモノクロか、有名クリエーターなのかどうかで大きく異なってくる。正確には、見積もりを取る必要があるが、モノクロの漫画だと数ページでざっくり20万円前後となるようだ。
作成までの流れは、ウェブページの問い合わせから、発注したい内容や予算を話し合う。通常は、担当者が会社まで来てくれるそうだが、今回は連載で取り上げさせていただくこともありオフィスに伺った。
ヒアリングシートをがっつり書き込む
依頼することになると、「プロモーション漫画制作申込書」というPDFファイルと、「漫画制作ヒアリングシート」というエクセルファイルがメールで送られてきた。申込書は、企業情報や請求先などを入力すればいい。重要なのは「漫画制作ヒアリングシート」だ。
打ち合わせも大切だが、実際はこの「漫画制作ヒアリングシート」を元に漫画が作られるという。漫画ができあがってから「思っていたのと違う」となるとお互いに大きな手間がかかってしまうので、きっちり入力する。
原価BARの仕組みや魅力を伝えたい、目的や仕組みがわかりにくい、飲み放題カテゴリーに見られている、といった課題を書き込んだ。箇条書きベースでよく、漫画そのもののストーリーや台詞を考えたりする必要はない。
いきなりほぼ漫画になったネームが届いた!
ライターの仕事だと、ざっくりとどんなことを書くのかを構成案として提出することが多い。漫画の場合は「ネーム」という画像が届くそう。それを元に流れや内容を確認し、その後仕上げ作業に進んでいくとのこと。
楽しみにしていたところ、2週間ほどしてメールが届いた。記載されているURLを開いて画像をダウンロード。表示してみて、驚いた。今回、3ページの漫画を依頼したのだが、想像よりもずっと書き込まれた状態だったのだ。読んでみると、ヒアリングシートの内容をがっつり反映してくれていて、いい感じだった。
登場人物をカップルにするとか、女性を新規顧客にするとかは話していなかったのだが、読者に伝わりやすいように考えてくれたのだろう。いろいろなニーズに合致していて、予想外にありがたいところだった。台詞の内容も手書きではなくきちんと印字されているし、伝えたい内容ががっつり入れ込まれていた。リクエストの都合上、普通の漫画と比べると文字が多いのはやむを得ないところだろう。
とは言え、内容に関して「酒豪の桃源郷」「原価だから飲み会にぴったり」といった打ち出し方だったのだが、実はそういうイメージをちょっと変えたいというニーズがあった。1杯+フード2品で入場料の元が取れるので、平日でもお酒が苦手な人でもOKと打ち出したかったので、その旨をメールする。
大きな変更ではないので、文字の修正だけだったからか、すぐに新しいネームが送られてきて問題なし。仕上げをお願いする流れになった。
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