NTTドコモは2016年度通期(2016年4月~2017年3月)の決算説明会を開催。合わせて、2017年度からの新たな中期計画となる「beyond宣言」について、同社代表取締役社長の吉澤和弘氏によって説明が行なわれた。
2020年に向けた中期計画では
5Gネットワークの基盤を活用した新しい取り組みに意気込み
説明会で先に紹介されたのは中期計画について。beyond宣言には、ユーザーに向けては「マーケットリーダー宣言」「スタイル革新宣言」「安心快適サポート宣言」、パートナーに対しては「産業創出宣言」「ソリューション協創宣言」「パートナー商流拡大宣言」の計6つの宣言が含まれているという。
ユーザーに対しては、サービス、ポイント、料金の3点でマーケットリーダーであり続けることを目指す。特にポイントでは、dポイントの加盟店を今後も続々と増やしていく予定で、2020年には300社以上、そして日本最大級の発行額を予定している。また、フィンテックやドローン、エンタメなど、5Gのネットワークを基盤とする体験の革新を狙う。
パートナー向けでも同様に、5Gネットワークの基盤を活かし、社会や産業の発展を目指すという。交通機関、警備会社、テレビ局などとのパートナーとは、すでに5G時代のサービスを共創するべく、トライアルを開始しており、2020年まで待たずともその恩恵を受けられるようにしたいと意気込みを見せた。
着実に増収増益の2016年度
通信以外の領域でもほぼ計画通りの実績
一方、2016年度通期の決算内容だが、連結での営業収益は4兆5845億円、同じく営業利益は9447億円と、前年度の比較でそれぞれ1.3%、20.7%のプラス。ただ、営業利益には償却方法の変更や「パケットくりこし」の影響もあり、実質的には8627億円。それでも増収増益なのは間違いない。特に増益に寄与したのは、コンテンツや金融などが含まれるスマートライフ領域で、セグメント別での営業利益は1119億円と、前年度比で50.9%のプラスとなった。
ドコモの現状としては、1契約あたりの売上を示すARPUでは音声とパケットのARPUについてはほぼ変化はないものの、ドコモ光加入者が増加した分、ARPUは上乗せ。ネットワークでは、PREMIUM 4Gの基地局数を7万弱まで増加させ、国内最速の682Mbpsの基地局も120都市で開始。総務省のガイドラインに基づく実効速度テストでも、他キャリアを上回る、118Mbpsのダウンロード速度をアピールした。
スマートライフ領域では、コンテンツが確実に伸びを見せ、「100万契約はできるだけ早い時期に」としていた「DAZN for docomo」も3月末の時点で36万契約に達しているという。
家族間の通話のみ定額で
月1780円からの「シンプルプラン」を開始
2017年度の取り組みとしては、ユーザーへの還元策として、5月24日に開始する新料金プラン「シンプルプラン」「ウルトラシェアパック30」が紹介された。
「シンプルプラン」は、家族とデータ定額をシェアする「シェアパック」契約者が加入できる基本プランで、税抜月980円。これまでの「カケホーダイプラン」「カケホーダイライトプラン」と異なり、国内通話定額は付かないが、家族間の通話は無料。spモード、シェアオプションと合わせて、税抜月1780円から利用できるとしている。
「ウルトラシェアパック30」は家族間でシェア可能な月30GBのデータ定額で、税抜月1万3500円。従来は月15GBのプランが税抜月1万2500円だったが、月1000円のプラスで容量を倍にできるとアピールしている。またシェアグループ内で、回線ごとに利用できる通信量を制限する機能が今秋に追加される予定。
なお質疑応答では、その存在の理由も含めて話題となっている、大容量データ定額でのテザリングオプションの料金について、ドコモの方針がたずねられたが、「お客さま還元という観点も踏まえつつ、適切な料金を設定する予定」との回答で、具体的な内容は含まれていなかった。
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