HTCのVIVEやOculus RiftなどのPC用VRヘッドマウントディスプレーをマーヴェラスに楽しむには、高性能なグラフィックボードと、広いプレイスペースが必要だ。動画の視聴くらいなら椅子に座っているだけで十分だが、世界中で流行っているハイクオリティーなVRコンテンツは、動き回れるものが多い。
VIVEやOculus Riftでは、ルームスケールと呼ばれる機能にてVR空間を歩く体験が可能。これは、スマホを内蔵する簡易的なVRヘッドセットや、PlayStation VRでは、得られない魅力だ。
しかし、プレイスペースを確保するには、なかなか日本の狭い住宅事情では難しい。ある程度、部屋を片付けてスペースをつくらなければ快適にプレイできない。そんなとき、PCを動かせるとスペースをつくるのが各段にラクになることも。
そう考えると、重量もそれなりにあるタワー型のPCでは、なかなかに不便だ。そこで注目したいのがキューブ型のPCだ。キューブ型のPCは、ノートPCよりは拡張性も高く、高性能かつ省スペースを実現できる。そこで今回は、レノボの「ideacentre Y720 Cube」を紹介したい。
本機は、本体の上部に取っ手を備え、持ち運びもラクなキューブ型のゲーミングデスクトップPCだ。キューブ型とコンパクトながら、CPUに第7世代インテルCore i7-7700、グラフィックボードにNVIDIAのGeForce GTX 1080を採用した高性能な構成が選択できる。
この構成だと価格は26万7840円となかなか高くなるが、2017年5月31日まで使えるアスキーコラボクーポンコード(下記画像内)を使うと、なんと同社のEクーポンよりさらに3%も安い19万166円で購入可能になる。約7万7000円も割引されるので、液晶ディスプレーを一緒に買ってもお釣りがくるほどだ。この高性能で、20万円を切るコスパの高さは、かなり魅力的なのでオススメだ。
「ideacentre Y720 Cube 90H2002WJM」の主なスペック | |
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CPU | Core i7-7700(4コア/8スレッド、3.6~4.2GHz) |
グラフィック | GeForce GTX 1080(8GB) |
メモリー | 16GB(PC4-19200 DDR4-2400) |
ストレージ | 512GB SSD(SATA)、2TB HDD(7200rpm) |
インターフェース | USB3.0×4、USB2.0×4、DisplayPort出力×3、HDMI出力、DVI-D出力、ギガビットLANほか |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac(Killer Wireless-AC 1535)、Bluetooth4.1 |
サイズ/重量 | 約252.3(W)×393.3(D)×314.5(H)mm/約9.1kg |
小型ケースを採用しているが、冷却面はよく考慮されており、吸気は正面脇と両サイド、排気は背面と天板と、高い負荷で酷使前提のゲーミング環境に合わせてきている。天板には取っ手があり、持ち運びを楽にしている。これはLANパーティーだけでなく、冒頭で記しているように一時的に室内で移動させる場合にも都合のいいものだ。
インターフェースは、フロントにUSB3.0×2、マイク入力、ヘッドフォン出力、背面にUSB3.0×2、USB2.0×4、PS/2、オーディオ出力、S/PDIF出力、有線LAN(Killer E2400)。映像出力はDisplayPort×3、DVI-D、HDMI。ワイヤレスはKiller Wireless-AC 1535で、11acにまで対応と、小型ながら十分に揃っており、拡張ボードを追加できない部分をしっかりと補っている。
本機は、高性能な構成のため、だいたいのPCゲームが設定を気にせず楽しめる。そこで、まずは実際に3DMARK(Version 2.3.3682)、ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークのスコア―をチェックしてみた。検証した際のGPUドライバーは、GEFORCE GAME READY DRIVER 378.92。
小型ながらVRゲームも快適!
さて、基本性能がわかったところで、今度は肝心なVRゲームを試してみたい。選択したのは、リアルすぎる彼女と大人な階段が登れると一部界隈で話題となっているイリュージョンさんの「VRカノジョ」。本作は、最新のUnityを使い、これでもかというくらいにリアルに肌や服の刺繍を再現しており、設定によってはかなり動作が重い。バーチャルなカノジョといえども、美しく見るためには、性能で黙らせるしかないのだ。
「VRカノジョ」は、高い性能が必要ですが、SLIやCrossFireXには対応していないので、可能な限り高い設定で、VRを快適に楽しめる90fpsで安定するグラボの搭載が必須だ。今回選んだY720 Cubeは、ほとんどのPCゲームを4Kの高解像度でも楽しめるGTX 1080を備えるため、解像度が1920×1080ドット、Render Scale:100%、パフォーマンス設定:ノーマル、カスタムエフェクト:Mediumという設定でも90fps張り付きで楽しめた。
前述の設定は、広い部屋でルームスケールを構築し、筆者のようにアクロバティックに楽しみたい人向けである。パフォーマンス設定:クオリティでも60fps付近をキープできたので、椅子に座ってあまり画面を動かさないのなら、クオリティにして楽しむのもアリだ。パっと見あまり変わらないように見えるが、パフォーマンス設定を上げると、輪郭がくっきりし、よりカノジョをリアルに感じられるのだ。
90fps以上のキープに拘ったのは、もちろんルームスケールをフル活用するためだ。VRカノジョは、律儀に座ってプレイするよりも、斜め上から見下ろしたり、真下から見たり、後ろに回ったりするべきゲームであるからだ。夕陽さくらちゃんは、ポニーテールの似合うレディーであり、ツインテール原理主義的には「そのポニテ、ふたつに分けろ!」と言いたくなるほどである。それだけ没入できるのだが、このとき、フレームレートが落ち込むと萎えてしまう。このあたりは、個人差もあるのだが、まずはノーマルでの動作を基準に考えてみるといいだろう。
また高負荷時において、ファンの駆動音は多少大きくなるが、極端にうるさいというレベルには至らない。VRゲームの場合はヘッドフォンを装着しているので、さらに気にならないし、PCゲームを遊ぶ場合にもスピーカーからのサウンド出力で誤魔化せるため、騒音については気にする要素と思わないで済むハズだ。
ideacentre Y720 Cubeは、キューブ型ながら、タワー型のPCと変わらないスペックを実現できる。そのため、VR用としてだけでなく、なるべくコンパクトなPCで高い設定でゲームを楽しみたいという人には、有力な候補になるだろう。VRについては上記の通り、VRカノジョの動作は問題ないし、ベンチマークスコアーからもPCゲームの大半を高い設定で遊ぶことができる。そろそろPCの買い替えを考えているのであれば、ideacentre Y720 Cubeをチェックしてみよう。
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