海外出張が続いた3月も終わり、4月上旬は国内を旅していました。いまに始まったことではありませんが、「地方では格安スマホの存在感が薄い」ことを改めて実感しました。
地方では存在感の薄い格安スマホ
2017年に入り、格安スマホや格安SIMを掲げる事業者の実店舗展開が続いています。
3月からは、プラスワン・マーケティングが「フリーテルショップ」を展開しており、都内を中心に20店舗をプレオープン。4月14日には総合スーパーのイオンが、八重洲地下街にイオンモバイルの専門店を初めて出店しました。
2月にmineoの旗艦店がオープンした渋谷は激戦区になっているように、東京では各地で格安スマホを扱うショップが乱立しています。
これに対して「地方」は、だいぶ状況が異なります。もちろん、地方といっても札幌や福岡のような地方都市であれば、大手の家電量販店が充実しており、選択肢の豊富さは東京に近いものがあります。しかし、人口の少ない地域に向かうにつれ、選択肢はどんどん限られてきます。
格安スマホやSIMを置いていない量販店でも、「注文すればすぐに取り寄せる」と言ってくれるところは多いのです。ただ、それならばネット通販で購入するのとあまり変わりません。
また、せっかく携帯電話売り場があっても大手キャリア端末のモックアップしかない、という状況もありがちです。中古スマホ売り場があるゲオ(GEO)のような店舗が近くになければ、実機に触れる機会はかなり限られそうです。
MVNO各社は地方からでも買いやすい仕組みを作ろうと努力してはいるものの、存在感はまだまだ薄いといえます。いざネットで買おうとしても、不具合が起きたときのように相談できる場所に乏しいことから、敷居が高いという面もあるでしょう。
地方ではワイモバイルの強さが際立つ
その一方で、全国津々浦々まで店舗を展開しているのが大手キャリアのショップです。多くの地域では、スマホといえばキャリアショップ、という図式がまだまだ定着していそうです。
その中でも特に目立つのが、ワイモバイルの存在です。大手キャリアより安い料金体系でありながら店舗も充実しており、ウェブサイトによれば47の都道府県に合計992店舗が存在しています。UQモバイルの「UQスポット」も全国で48店舗と拡大してはいるものの、まだまだ先は長そうです。
インターネットの普及により、格安スマホやSIMの情報だけなら、全国どこでも等しく入手できるようになりました。その一方で、実機に触れられる場所は都市部に限られているのが現状です。ネットで情報が広まれば広まるほど、都市との格差が浮き彫りになっているのは皮肉なところです。
とはいえ、MVNO各社は限られたリソースを有効活用するため、大都市を優先せざるを得ないという事情も理解できます。一般層へと急速に広がりを見せている格安スマホが全国津々浦々にまで浸透するかどうか、今後の課題になっていくでしょう。
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