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10万円程度の密閉型・高級機種をパイオニアブランドで展開

マニアックに楽しめる、パイオニアの密閉型ヘッドフォン「SE-MONITOR5」

2017年04月25日 15時00分更新

ソースの変化に敏感に反応、マニアックに楽しめるヘッドフォン

 短時間であるが試聴もできた。

 GRANBEATとの組み合わせで、ハイレゾ音源をいくつか聴いたが、プレーヤーの設定に敏感に反応する再現性の高さを感じた。味付けとしては完全にモニターライクというよりは、低域の厚みなども重視した少しリスニングよりのバランスにも思えたが、ソースの変化に敏感に反応する。バランス、アンバランス接続時の差はもちろんだが、EQの有無、デジタルフィルターやロックレンジアジャストなど、GRANBEATの豊富な音質カスタマイズ設定による音の変化を存分に楽しめる点が面白い。

 GRANBEATやDP-X1Aはこのカスタマイズ性が一つの売りであるので、プレーヤの潜在能力を引き出したいという人にも魅力的な選択肢ではないだろうか。

 またメーカーが言うように、イヤーパッドの変更による音の変化もかなりある印象だ。まずベロアで聴き、あとからレザーに変えてみたが、レザーのほうが音像を正確にとらえることができ、よりカッチリとした再現になる印象だ。一方ベロアは音の印象に加えて、付け心地も含めて柔らかく、ナチュラルな印象。音圧感やメリハリ感は甘くなるのだが、そのぶん緊張感が緩和される。空間にも少し広がりが出て、長時間ストレスなく聞けそうだ。

 バランス駆動とアンバランス駆動の違いとしては、例えばKalafinaの「into the water」、fhanaの「ホシノカケラ」などポップス系の楽曲ではリズム感、ビート感などに差が出た。音のトーンはフラットな傾向で、白いキャンバスのようにソースによってさまざまな表情が浮き立っていく印象ではあるが、芯のある低域など楽しくリスニングをする要素も含んでいる。

 リズムがハッキリした音楽はもちろんだが、カラヤン/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の「惑星」では、脚色は少ないが響きの豊かさや音色の色彩感などがあり、クラシックなども高い水準で楽しめそうだ。

大きさを考えるとデスクトップ用途が中心になりそうだ。試作した4極XLRケーブルを使用したデモ機も用意されていた。

 重量は480gあり、やや大型の機種だが、インピーダンス40Ω/感度99dBの密閉型ということもあり、出力に制限があるポータブル機や、周囲への音漏れが気になる屋外に持ち出して使う用途にも対応できるだろう。モバイルというのは少し厳しいかもしれないが、自宅でのリスニングだけでなく、共用スペースなどで作業する際に音楽を聴いて集中したいといった用途でも積極的に使える機種と思える。

 さらに上に述べたようにソースの味やカスタマイズ性の高さもあり、買った後もいろいろマニアックに楽しめそうな機種だ。

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