Xperiaでいい音を追求する場合、イヤフォンだけを変えても効果はあるものの、それだけでは物足りないというユーザー向けに、Xperiaを本格的なオーディオプレーヤーとするべくソニーのポータブルヘッドフォンアンプ「PHA-2A」を接続してみました。
オーディオ的な話になりますが、Xperiaはヘッドフォン端子から音声出力するためのアンプを内蔵しているとはいえ、元々は内部構造のせめぎ合いの末に完成したスマートフォンであるがゆえ、本格的なオーディオプレーヤーと比較すると厳しいものがあります。そんなときに活躍するのがポータブルアンプです。最初に断っておきますが、ポータブルアンプのネックは大きさと重量です。間違いなく巨大化します。
PHA-2Aのサイズは133.5×80×24mm、重量は約290gです。ワンサイズ小さい「PHA-1A」は109×62×18.5mmで重量約145g。確実に大きく重くなっているのがわかります。
ただし、5型液晶以上のXperiaシリーズであればタテヨコがほぼ同サイズに収まることと、ポータブルアンプ自体がサイドに丸みを持たせていることもあり、これまでの製品と比べると持ちやすくなっているような気がします。あくまでも気がするだけで、決して可搬性に優れているとは言えませんが……。
PHA-2AはD/Aコンバーターに「ES9018K2M」、電圧増幅部に高品質な「LME49860」を採用したポータブルアンプで、ハイレゾ音源はDSD(5.6MHz/2.8MHz)ネイティブ再生、PCMは最大192kHz/32bitに対応しています。そして、3.5mmのステレオミニプラグに加えて4.4mmバランス対応の標準プラグ端子を備えるのが大きな特徴です。
バランス出力(バランス標準ジャック32Ω)では、320mW+320mW、ノーマル出力(ステレオミニプラグ32Ω)でも100mW+100mWという余裕のハイパワーが魅力です。これなら多少の大きさや重さにも耐えて持ち出してみたいと思えます。バッテリー駆動時間は約5時間で、充電時間はコンセント経由で5時間程度のようです。ちなみに充電専用のmicroUSB端子を備えており、室内利用ではバッテリー残量の心配は無用です。
さっそくXperiaと接続してみましょう。PHA-2Aの端子部分には“Xperia/WALKMAN/PC”ときちんとXperiaに関する注釈があり、ここからデジタルデータのまま音声が転送されます。たとえば「Xperia X Performance」の場合は、付属のXperia用デジタルケーブルを利用してmicroUSB端子にケーブル1本で接続。ケーブル類がごちゃごちゃしないのがいいところです。
以前試した「Xperia Z2」とポータブルアンプ「PHA-2」という組み合わせでは配線がかなり厳しい見た目だったので、ずいぶんスッキリとした印象です。
ポータブルアンプへの装着方法は、ポータブルアンプにXperiaを重ねて2本のシリコンバンドで留めて出来上がりです。なお、ポータブルアンプとXperiaの間にシリコンシートを挟み、干渉によるキズがつかないようにしておきます。
よく困るのが、シリコンバンドがXperiaのディスプレーをふさいでしまったり、側面のカメラシャッターボタンや電源ボタン、ボリュームボタンに当たってしまうことですが、幸いポータブルアンプが大きいこともあって、上下に逃がすことができました。
基本的にXperia側で設定をいじることはなく、付属のXperia用デジタルケーブルを接続してPHA-2Aの電源を入れると自動的にポータブルアンプを認識、Xperiaからアンプを通した音を楽しめるようになります。
microUSB端子を備える「Xperia X Performance」や「Xperia Z5」シリーズはこれでまったく問題なく快適に使えます。最新モデルの「Xperia XZ」や「Xperia X Compact」でも使いたいのですが、外部接続端子がmicroUSBからUSB Type-Cに変わったのが問題です。
端子の変更は最初からわかっていたことだったので、すでに利用中のmicroUSB-USB Type-C変換プラグを使ってみました。しかし、単純に変換プラグ経由で接続してもPHA-2AをXperiaが認識する、とはいかないところがややこしいところです。
ということで、次回はXperia XZやXperia X CompactのようにUSB Type-C端子を備えるスマホでの対処法のご紹介と、PHA-2Aの性能を最大限に活かすべく、バランス接続ケーブルを用意してバランス接続を試したいと思います。
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