ゲーミングデスクトップPCと聞くと、高性能なグラフィックボードを搭載し、大きくてスペースを取りそう、というのがひと昔前の印象。しかし、最近ではマウスコンピューターの「LITTLEGEAR」シリーズのようなミニITXマザーボードを採用した小型筐体や、キューブ型のPCなどもあり、幅広いラインナップから選べるようになっている。
そんななか、マウスコンピューターは同社のゲーミングブランドG-Tuneから、超薄型なゲーミングPC「NEXTGEAR-SLIM」シリーズを3月22日に発売することを発表した。今回、その発表に先駆け製品を見せてもらったので、写真で分かる範囲のことをお伝えしたい。
NEXTGEAR-SLIMは幅わずか22ミリと薄型なゲーミングデスクトップPC。CPUはモバイル用ながらクアッドコアを備えるCore i7-6700HQ(2.6~3.5GHz)、グラボはGeForce GTX1070と、VRヘッドマウントディスプレーも快適に動作する性能となっている。
直販の想定価格はメモリー8GB、240GB SSD(SATA)の『NEXTGEAR-SLIM is100BA1』で16万9800円(税別)。最上位モデル『NEXTGEAR-SLIM is100GA1』はメモリー64GBに、速度に定評のあるSM961シリーズの512GB SSD(NVMe)と1TB HDDを備え、21万9800円(税別)となる。全モデルで11ac対応(433Mbps)の無線LANとBluetooth4.2を内蔵する。また、オプションでWindows 10 Proや最大867Mbpsの無線LANを選択できる。
「NEXTGEAR-SLIM is100BA1」(最安モデル)の主なスペック | |
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CPU | Core i7-6700HQ(2.6~3.5GHz) |
グラフィック | GeForce GTX1070 |
メモリー | 8GB(8GB×1) |
ストレージ | 240GB SSD(SATA) |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth4.2 |
バッテリー駆動時間 | 約3時間 |
サイズ/重量 | 385(W)×22(D)×274(H)mm/本体:約1.75kg、スタンド:0.75kg |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
本機はデスクトップPCのパフォーマンスと周辺機器との接続性はそのままに、省スペースでの設置を可能とし、活用シーンを拡げるスタイルとしている。インターフェースは上部と左右それぞれに配置されている。恐らくノートPCの基板をベースに設計されており、上部がノートPCの背面に位置するため電源を上部に挿す仕様となっている。
厚さは液晶がない分、同社の15インチのゲーミングノートPCよりも薄い。一方、縦横の広さは15インチのゲーミングノートPCよりもやや広いが、その分エアフローに余裕がありそうなので、熱処理を上手く行ない、パフォーマンス維持に活躍しそうだ。
本体の広さはノートPCとほぼ変わらないが、スタンドに立てることで同社のLITTLEGEARよりも設置面積が少なく、省スペースに置けることが本機の最大の利点。本体容積はLITTLEGEARが約20.95リットルで重量が約7.4キロのところ、容積約2.33リットル、本体とスタンド、ACアダプターの合計重量約3.25キロと専有面積が少なく、軽いため持ち運びにも優れている。
優れた設置性は、プライベートのみならずイベントでも活躍しそう。たとえば、ノートPCは液晶ディスプレーとキーボードを最初から備えているため、キーボードの面を机に置く必要があり、自由度がない。一方、NEXTGEAR-SLIMは液晶の裏などに設置すれば机を広く使え、大型な液晶ディスプレーと組み合わせて、大迫力な映像でプレイできる。複数購入して一ヵ所に固めても、同じ数のミドルタワーのPCを置くよりも、まったく場所を取らないだろう。
バッテリーも内蔵するが、約3時間駆動と短く、あくまで突然の停電などのトラブル回避の用途のようだ。雷サージ対応のOAタップと組み合わせれば、UPSなしでも安心して使えそうだ。
実際に動作する製品を確認してみないことには、性能や使い勝手の詳細は分かりかねるが、NEXTGEAR-SLIMはスペック上高性能なうえ、スマートなため、快適に重量級のPCゲームやVRゲームを楽しみたいが、ミドルタワーなどの大型なゲーミングPCを置くスペースがない、と思っている人にオススメできそう。
スペックによっては20万円を切る価格で購入できるので、ゲーミングデスクトップPCを購入しようと考えている人は、一度購入を検討してみるといいだろう。
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