デスクトップ並の高パフォーマンス
DAIV-NG4500H1-M2SH5は、CPUにクアッドコアプロセッサのCore i7-7700HQ(2.80GHz/TB時最大3.80GHz)を、グラフィックスにGeForce GTX 1050を搭載している。また、メモリは32GB PC4-19200、ストレージはNVMe対応 M.2 SSD(512GB)と1TBのSATA HDD(5400rpm)を装備している。非常に贅沢な構成になっているが、いったいどれくらいのパフォーマンスがあるのだろうか。そこで、ちょうど1年前に発売されたクリエイター向け15.6型ノート「DAIV-NG5600H1」と比較しながら、その性能をチェックしてみた。ちなみに、比較機は、インテルCore i7-6700K(4.00GHz/TB時最大4.20GHz)、GeForce GTX 965M、32GB PC4-17000、480GB SerialATAIII SSD(ストライピング 240GB×2)という構成で、CPUは1世代前のデスクトップ向け最上位モデルだ。
まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」を実行してみたところ、次のような結果になった(グラフィックスはCPU内蔵のものしか評価できないため省略している)。
WinSAT.exeの結果 | ||
---|---|---|
種別 | DAIV-NG4500H1-M2SH5 | 比較機 |
プロセッサ | 8.4 | 8.5 |
メモリ | 8.4 | 8.5 |
ディスク | 9.1 | 8.3 |
結果を見ると、プロセッサはCore i7-6700Kに迫る性能であることがうかがえる。また、比較機のストレージはSSD2基でRAID 0にして高速化を図ったもので当時はかなり高速な印象だったが、DAIV-NG4500H1-M2SH5のNVMe対応 M.2 SSDはそれを大きく上回る性能であることがわかる。ちなみに、ストレージの性能を「CrystalDiskMark」でチェックしてみたところ、図のようにDAIV-NG4500H1-M2SH5の方が圧倒的に高速だった。
CINEBENCH R15でCPUパフォーマンスを確認
次に、CINEBENCH R15で両機のCPUパフォーマンスをチェックしてみることにした。その結果、DAIV-NG4500H1-M2SH5が730cb、比較機が874cbとなった。比較対象がデスクトップ向けのCPUであることや、動作周波数の違いなどを考慮すると、DAIV-NG4500H1-M2SH5はかなり健闘していると言える。
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMARK 8 HOME ACCELERATED」
次に、PCとしての総合的なパフォーマンスを見るためPCMARK 8 HOME ACCELERATEDを実行してみたところ、下図のようになった。比較機はスコアが4909だったのでそれより見劣りするものの、大きく差が出たのはCasual Gamingのみで、それ以外の数値はほとんど差がなかった。
PCMARK 8 HOME ACCELERATED 3.0スコア | |
---|---|
Score | 4048 |
Test duration | 35min 42s |
Web Browsing - JunglePin | 0.31757s |
Web Browsing - Amazonia | 0.13721s |
Writing | 3.28257s |
Casual Gaming | 37.73fps |
Video Chat playback 1 v2 Accelerated | 29.97fps |
Video Chat encoding v2 Accelerated | 33.00000ms |
Advanced Photo Editing 1 | 0.17053s |
3DMARKでグラフィックスの性能を確認
次に、グラフィックスの性能をチェックするため、3DMARKも試してみたところ、次の結果になった。
3DMarkスコア | |
---|---|
Time Spy | 1814 |
Fire Strike | 5525 |
Sky Diver | 16592 |
Cloud Gate | 19211 |
Ice Storm Extreme | 79073 |
Ice Storm | 85102 |
比較機は高性能PC向けの「Fire Strike」が5297だったので、それよりもパフォーマンスが向上しているのがわかる。DAIV-NG4500H1-M2SH5はいずれも非常に高いスコアで、負荷が軽めのゲームはもちろん、それなりに負荷の高い3Dゲームも期待できる結果になっている。
Lightroomで29枚のRAWデータを一括して現像してみた
ベンチマークソフトによる結果が一通り分かったところで、今度は実際にRAW現像でどれくらい差が出るのかを見てみよう。Lightroomで29枚のRAWデータを一括して現像してみたところ、次のようになったのだ。
Lightroomでの現像時間比較 | |
---|---|
DAIV-NG4500H1-M2SH5 | 比較機 |
53秒29 | 47秒40 |
ストレージの性能差も関係してくるのか、CINEBENCH R15のスコアから想像したよりも差は少なかった。デスクトップ向けCPUを搭載したハイエンドモデルとも互角に戦えるパフォーマンスだと言えるだろう。RAWを扱うことの多いユーザーの場合、DAIV-NG4500H1-M2SH5のこの性能の高さは大きなポイントだ。
Lightroom、Photoshopの高速動作が印象的
DAIV-NG4500H1-M2SH5でRAW現像をしていて、特に印象に残ったのがプレビューのレンダリングの速さだ。Lightroomで写真を読み込む際、普段はファイル管理パネルでデフォルトの「プレビューを生成:最小」に設定しているのだが、これだと写真に埋め込まれている粗いプレビューが表示された後、Lightroomでレンダリングされた高画質なプレビューが表示される。PCの性能によっては、その高画質なプレビューが表示されるまでに少し待たされるが、DAIV-NG4500H1-M2SH5の場合はほとんど一瞬で表示されるのだ。JPEGデータとあまり変わらないスピード感でハンドリングできるため、LightroomでRAWデータを扱う機会が多いユーザーとしては非常にありがたい。
処理の速さはPhotoshopでも同じで、何をするにもサクサクで作業がはかどった。たとえば、レイヤー数の多いファイルだと高性能なPCでも動作が重くなりがちだが、DAIV-NG4500H1-M2SH5は動作に引っかかりやもっさり感を覚えることなく快適に作業できる。
CPUやGPU、ストレージが高速であるだけでなく、メモリーを32GBも積んでいる点も少なからず影響しているだろう。また、サイズの大きな画像にフィルターをかけた時なども処理がすぐ終わるため、トライ&エラーでいろいろフィルターをかけてみたりするときもストレスがたまらない。
クリエイターによっては、撮影現場など、出先でレタッチを行うこともあると思うが、そんなときもDAIV-NG4500H1-M2SH5ならデータの読み込みから仕上げまでサクサク快適に行える。その性能の高さは、一般的なモバイルノートと比べて大きなアドバンテージだといえるだろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう