トーマツベンチャーサポートの権 基哲(こん きちょる)です。関西ベンチャー界隈をご紹介する本連載、今回は大阪でベンチャー界隈の人たちが集まる箱物としての“場”をご紹介します。
なお、本記事における意見は筆者の私見であり、筆者が所属するトーマツ ベンチャーサポート株式会社およびその関係会社の公式見解ではないことをお断りさせて頂きます。
大阪イノベーションハブ
大阪市により開設されたイノベーション創出支援拠点で、ここではピッチイベント、セミナー、アイディアソンやハッカソンが毎日のように開催されています。
ピッチイベントとしては、弊社で運営しているベンチャーと大企業との事業提携を目的とする“Morning Meet up”(東京ではMorning Pitch)をはじめ、吉本興業と共催している“つっこまれピッチ”など関西ならではのものや、オランダのスタートアップピッチバトル“Get In The Ring”の予選などグローバルに展開できるようなものも開催しています。
アイディアソンやハッカソンも非常に活発で、日本一開催していると思えるぐらいで、この場から、スマートトイのMoffなど実際に事業化された事例も出ていますし、オープンイノベーションの一環としてSHARP、NTT西日本、MBS、関西電力など多くの大企業のものもここで開催されています。
また、ピッチイベントでも見られるようにグローバルな視点が強く、海外からゲストを招集されて毎年開催されている国際イノベーション会議“Hack Osaka”、最近ではかなり増えてきたシリコンバレーツアーも、ほとんどなかった2013年当時から企画され、保証書電子化サービスWarranteeなど、海外の環境に刺激を受けて起業する学生が出ています。
オオサカンスペース
フリーランスやスタートアップが集まるコワーキングスペースですが、なんと前身はChatWorkが立ち上げており、立ち上げ人である大崎氏がMBOにより株式を100%譲り受け、運営会社である株式会社Kaeruを立ち上げて運営されています。
こちらでは特に仕事で協力できる関係づくりを重要視されているそうです。
実例として、駐車場のシェアリングサービスakippaは、「スタートアップの登竜門」とも言われるIVS Launch Padでも優勝しましたが、初期は会員のフリーランスのエンジニアの方に依頼して立ち上げたそうです。
そのほか、KDDIムゲンラボにも採択されているデザインエッグ、京阪電鉄不動産と提携した2JOYなど、有望なスタートアップが輩出されています。
勉強会も広報勉強会、法律勉強会、UIUX勉強会など非常に充実されています。特に広報勉強会は周りのスタートアップを見ていても参加されている経営者、広報担当者が多く、成果が出ているようです。
そんなオオサカンスペースも5周年ということで“OsakanEXPO”が開催され、私も行ってきましたが、非常に熱量高く、コミュニティの一体感を感じました。
権基哲(トーマツベンチャーサポート)
2007年大阪市立大学経済学部卒。2008年に公認会計士試験合格後、大手監査法人にて製造業、卸売業、小売業、金融機関と多様な業種の会計監査を行う。IPO支援として内部統制構築支援、上場準備監査にも従事。2013年よりトーマツベンチャーサポート株式会社関西支部の立ち上げを行い、2015年より関西事業部の責任者として活動。大企業とベンチャーをつなぐ「Morning Meet up」、2014年には地方のベンチャーキャピタル向けプレゼンテーションイベント「全国StartupDay」、2016年より大阪市シードアクセラレーションプログラムの統括責任者をそれぞれ務める。専門分野はビジョン組織構築、スポーツ、シェアリングエコノミー。
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