週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

インテル超え確実!? Ryzen 7最速ベンチその実力とは?

2017年03月02日 23時00分更新

ラインナップで比較してみたり、OCをしてみたり

 ここからはRyzenだけでの比較をしていこう。まず価格は先の表のように、Ryzen 7 1800Xは5万9800円、Ryzen 7 1700Xは4万6800円、Ryzen 7 1700は3万8800円。

 CINEBENCH R15の結果からすると、価格通りの差が生じており、IPC性能重点であれば、何も考えずにRyzen 7 1800Xが無難だ。

AMD「FX-8150」(写真左)と並べてみると、ダイサイズが少し大きくなっている

背面。ピンの直径はAM3と変わりない模様

ダイショット。プレスキットに高解像度版が入っていたので、そのまま掲載しておく

 Ryzenシリーズはすべて倍率フリーであり、OC前提であれば、Ryzen 7 1700も狙い目になるが、RyzenシリーズのX付きには、XFRが備わっている、冷却環境によっては、XFRに任せるのもアリ。型番末尾のXはExtended Frequency Range(XFR)対応を示している。

 ただしXFRについては、今回のチェック環境では、XFRらしい挙動が確認できておらず、UEFIにもXFRに関する項目はなく、そもそも有効化されているのかもわからない、分岐条件も発表されていないということで、現時点だとXFR前提の運用は様子見がいいだろう。

 また今回のレビュワーキットには、「Ryzen Master」なるアプリケーションのベータ版が同梱されていた。AMD謹製のOCツールで、いずれ配信されるものだと思われる。

Ryzen Masterベータ版。お手軽なモードがほしいところ

 ベータ版段階だとフルマニュアルのOCツールであり、マザーボードメーカー各社が用意するお手軽OCツールのほうが楽。ともあれ、Ryzen Masterベータ版でOCしたCINEBENCH R15のスコアが以下である。

CINEBENCH R15のスコアー。Ryzen 7 1800Xと1700XはブーストクロックまでOC。Ryzen 7 1700はブーストクロックと4.0GHzまでOCしている

 それぞれ設定されたブーストクロックまでは、すんなり上昇した。それ以上となると急にシビアになり、今回のチェック環境では厳しく感じた(及び時間的な問題)が、Ryzen 7 1700は4.0GHzまではあっさりと行けたため掲載している。

 以下は簡易的に温度をチェックした表だ。CPUクーラーはnoctua「NH-U12S SE-AM4」、CPUグリスは付属のnoctua「NT-H1」、温度確認はHWiNFO64 v5.44と、クロスチェック用にマザーボード上の温度計を使用した。室温は22~24度。OCはブーストクロックの値まで上昇させた状況の温度を採用した。

ベンチ中の温度
製品モデル Ryzen 7 1800X Ryzen 7 1700X Ryzen 7 1700
アイドル 52度 43度 31度
CINEBENCH R15 75度 65度 46度
CINEBENCH R15(OC) 88度 79度 64度

noctua NH-U12S SE-AM4はRyzen 7 1700Xまでだろうか。またマザー右上にあるものが、ステータスモニター兼温度計だ

 CINEBENCH R15以外では3DMARK v2.2.3509 Fire Strikeもチェックしている。Physics testはCPUが影響するためだ。

 またワットチェッカーを用いたTDPも念のためテストしたので、グラフを見てみよう。環境は先ページの通りだ。

 動画はアスキーチャンネルでアップロードしている「大型ヘリカル装置LHD潜入映像:核融合炉の炉に飛び込んできた! 【4K映像】」を使用。4Kソースで約20分となにかとチェックに都合のいい動画である。

3DMARK v2.2.3509 Fire Strike v1.1。CPUだけ変更した環境なのでPhysics scoreは当然異なり、グレード通りのスコアー差が生じている。ゲーミング環境を考える場合は、現状だとRyzen 7 1700でOK。Ryzen 5の上位モデルを待ってもよさそうだ

消費電力テストのグラフ。フルロード以外での差は微々たるものだ。アイドルとCINEBENCH R15に加えて、動画再生時の傾向も計測した。動画再生時はGPUも動作することになるが、CPU使用率も変動するため、普段使い範囲での参考値になるだろう。FX-8370先生はメモリアル計測である

 なお、FX-8370の消費電力計測環境は、ASUS CROSSHAIR V FORMULA、ASUS ROG STRIX-RX480-O8G-GAMING、Crucial BX200、DDR 3 1866 4GB×2、簡易間接水冷ユニット。

より予算を抑えた自作PCのチャンス到来

 結論としては、AMDの発表通りの性能を確認できた。価格も競合であるインテルよりも安く高性能であり、今後の自作シーンが楽しみになってくる。ベンチのスコアだけでなく、チェック中のOSのレスポンス、価格からするとRyzen 7 1700が人気になりそうな気配だ。

 ただ販売店および物流系からの情報によると、マザーボードの供給が間に合っておらず、Ryzenは潤沢でも、マザーボードが足りない状況が、数週間は続きそうだ。

 少し先にPCを組む予定であれば、値上がり傾向にあるDDR4メモリーやストレージをそろえつつ、周辺情報を得ておくといいだろう。もちろん、ASCIIではモリモリとRyzenの情報をお送りするので、定期的にチェックしてほしい。

FXシリーズ先生、いままでありがとうございました

※お詫びと訂正:記事初出時にRyzen 7 1700のCINEBENCH R15ベンチ中の温度が76度と誤って表記しておりました。正しくは46度です。また、一部表記の誤りもありました。お詫びして、訂正させて頂きます。

【機材協力】

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう