3月1日、リバーベッドテクノロジーはクラウドへの接続をシンプルに行なえる「Riverbed SteelConnect」がMicrosoft Azureに対応したことを発表した。また、SD-WANとWAN最適化の機能を統合した「SteelHead SD」も投入し、クラウドビジネスをより強化する。
Azureへの接続を数クリックで実現するSteelConnect
リバーベッドの「Riverbed SteelConnect」はパブリッククラウドへの接続を自動化するSD-WANソリューション。拠点側にSD-WAN用のゲートウェイアプライアンスを設置し、IaaS上で動作する仮想アプライアンスとの間でIPsec VPNを構築する。設定や管理は「SteelConnect Manager」で完結し、各拠点とグローバルのリージョンとのネットワーク接続を迅速に行なえるのが大きな特徴だ。
SteelConnectのポイントについて、リバーベッドテクノロジー 技術本部長 草薙伸氏は、WANやクラウド、拠点などのネットワークを包括的に扱える接続性、ビジネスに即したオーケストレーション、さらにいったん設計したら容易にデプロイができるワークフローなどの3つを挙げた。従来、SteelConnectではAmazon Web Services(AWS)との接続に対応していたが、今回は新たにMicrosoft Azureへの対応を発表した。
SteelConnectでの接続は対応済みのAWSと基本的に同じ。SteelConnect Managerから接続したいリージョンを指定すれば、サブスクリプションIDなどプリセットされた設定を用いて、AzureのvNetへの接続設定が自動的に行なわれる。続いて、デプロイボタンを押せば、Azure側のSteelConnectの仮想インスタンスが起動し、接続情報を取り込みつつ、拠点や他のリージョンへの接続も開始される。 SD-WANのインスタンスのみならず、WAN最適化のインスタンスも容易に立ち上げられるという。
SD-WANとWAN最適化を統合した新アプライアンスも投入
リバーベッドはWAN最適化アプラアインスを手がけてきた老舗だが、昨今ではSteelConnectのSD-WANソリューションを積極的に手がけている。両者の機能の統合も進んでおり、今回はSteelConnectの機能を統合した「SteelHead SD」の日本での提供も発表。さらにクラスター構成により高い可用性を実現するデータセンター向けのSD-WANゲートウェイ「SteelConnect SDI 5030データセンターゲートウェイ」も日本市場への投入が発表された。
SteelHeadが提供するWAN最適化とSteelConnectが提供するSD-WAN、両者を併用するのは必然だという。草薙氏は、「WAN最適化製品は重複したデータを排除するので、最適化されたトラフィックを元に戻すのが難しくなる。しかし、SteelHeadはトラフィックに対してアプリケーションIDを付与するので、SteelConnect側がどのアプリケーションかを識別できる」と語る。1300を超えるアプリケーションを自動的に識別し、アプリケーションIDをSD-WANとWAN最適化で共有することで、クラウドへの接続を最適化するという。
SteelConnectが発表されてから日は浅いが、草薙氏は、「ほんの数ヶ月で300以上のお客様、1600以上のトライアルを得ることができた」と語る。グローバルでは製造業、流通、ヘルスケアなどですでに3~4桁の拠点を接続する大規模なSD-WAN事例が生まれており、大きなコスト削減効果を得ているという。
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