「海外旅行に行ったら現地でプリペイドSIMを買う」。SIMフリースマホを持っている人なら誰もがやっていることでしょう。
でも、実はいま、その国のSIMを買わなくても比較的安価に現地で通信できるサービスが出てきています。それがアジア各国のキャリアが販売する「海外用プリペイドSIM」です。「世界100ヵ国対応」などをうたう、グローバル対応プリペイドSIMも最近では増えています。
日本のMVNOも取り扱いはじめているグローバルSIM
値段重視なら香港キャリアのものもオススメ
日本でもmineoが海外用プリペイドSIMを出すなど、正規に買える製品がいくつか出ています。料金はだいたい1GBで1万円前後。安いと言えば安いのでしょうが、アジア各国であれば現地プリペイドSIMのほうが料金はだいぶ安くなります。たとえば、台湾なら5日で2000円弱、香港なら1日500円弱、韓国はやや高いものの1GBで約3000円です。
でも、現地でSIMを買う時間が無いケースもありますよね。そんなときはAmazonなどで現地SIMをあらかじめ買っておくという方法もありますが、最近になって海外キャリアが販売する「海外用のプリペイドSIM」も増えています。しかも、料金が安いものがいろいろと出てきています。
この手の製品でメジャーなのは、香港キャリアが販売する海外用プリペイドSIM。行先も中国、台湾、韓国、タイ、日本などのアジアのみならず、ヨーロッパ用、アメリカ用なんてものも売られています。
中でもChina Mobile香港(中国移動香港)、China Unicom香港(中国聯通香港)は海外用プリペイドSIMの種類も多く、中国へ行く際はローミング扱いとなっていわゆる「壁越え」ができるなど、モバイラー必須のSIMとなっています。
開通作業も基本的に不要で、SIMを入れてAPNをセットすれば、すぐに通信が可能になります。
Amazon.co.jpでも買えるタイのグローバルSIM
韓国で使ってみたところ十分な速度が出た
しかし、最近になって、タイのAISが発行するアジア用ローミングSIMの注目が高まっています。バンコクの空港のAISカウンターなどで販売されており、価格は399バーツ(約1300円)。Amazon.co.jpでも輸入品が販売されていて、価格は1500円前後。
筆者は香港のSIM屋台街で買いましたが、価格は似たようなものでした。アジアに出かける予定のある人ならぜひ買っておきたい、そう思わせるほど便利なSIMなのです。
利用可能な国は、台湾、香港、マカオ、韓国、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ミヤンマー、ラオス、カンボジア、インドそして日本。8日間有効でデータ利用量は定額ですが、3GBまでが4G/3G接続、それ以降は128kbps規制となります。3GB使い切ってしまっても、低速ながら8日間使い続けられるわけです。
ユーザー登録は一切不要なので、シンガポールなど、プリペイドSIM購入時に登録が必要な国に行くときはなおさら便利でしょう。
今回は韓国で使ってみました。スマホにSIMを入れてもすぐに電波をつかまなかったので、マニュアルでキャリアを手動サーチ。出てきたキャリアから「SK Telecom」を選ぶとすぐに接続してくれました。
なお、接続できないキャリアにはもちろんつながりません。APNは「internet」。タイのSIMなのでローミング設定はONにしておきましょう。
使い始めると各種通知がSMSで届きます。タイ語のものもありますが、読めなくても問題は無いでしょう。英語で来たメッセージのひとつに有効期限が記載されていましたが、期限は192時間後、まるまる8日間ぶん使えるわけです。
通信速度は電波状態のやや悪いところで下り20Mbps前後、上り10Mbps前後。十分合格です。テザリングにも対応しているので、ほかの端末からのアクセスでも問題ありません。
データ利用実績は「*111*6#」へ発信すればSMSで届きます。また、399バーツの残高を追加して、再度8日間3GBパッケージを買うことも可能。
ただし、AISのオンラインページからの残高追加は、海外発行クレジットカードではNGのケースもあるとのこと。タイに行ったときに複数まとめ買いしておくのがいいかもしれません。
ほかにも、899バーツ(約2900円)でヨーロッパにも対応したプリペイドSIMもあります。これから海外に行く予定がある人は、AISや香港キャリアの海外SIM情報も調べておいたほうがいいですよ。
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