日本通信は、1月31日にソフトバンクと相互接続協定書を締結したことを発表。これに合わせて、3月22日にソフトバンクのSIMロックが施されたiPhone/iPad向けの格安SIMのサービスを開始する。
この相互接続に向けての動きは2015年8月までさかのぼる。その後、1年以上にわたり協議を続けてきたが、不調に終わった。日本通信は不調を受けて、昨年9月に協議再開の命令申立を総務省に行なったのだが、その理由について、ソフトバンクが販売したSIMロックがなされた端末での接続に応じられない旨の回答がなされたことが含まれていた。
これはつまり、日本通信がソフトバンク網を用いた格安SIMをユーザーに提供する際、ソフトバンクによるSIMロックがかかった端末(特にiPhone)で利用できることを期待していたのに対し、ソフトバンク側が拒否していたと考えられる。
これに対し、総務省は昨年12月8日に電気通信紛争処理委員会に諮問、1月27日に「協議再開を命ずることは相当である」という答申が総務大臣に行なわれた。
具体的な内容としては「SIMカードは(中略)通信を行うために必要な設備であると認められる」「日本通信がソフトバンクに当該SIMカードの提供を求める行為は、接続の請求の一環をなす」として、ソフトバンクに対して、SIMロック端末で利用できるSIMカードの提供を含めて、接続の請求に応じる義務があることを示した。
これを受けて、両社はあらためて協議を行ない、相互接続の合意に至ったとする。
自社ネットワークのMVNOのSIMに対するSIMロックは
今年8月以降発売の端末で認められなくなる
なお、この件とは別に、1月に改正されたSIMロックに関するガイドラインでは、キャリアが販売する端末にかけられた、そのキャリアのネットワークのMVNOとして提供するSIMに対するSIMロックについて、「必要最低限の処置には該当しない」として認められなくなり、今年8月以降に発売される端末で適用されることがすでに決まっている(たとえば、au MVNOのSIMを現在発売されているauの主要なスマホで利用するにはSIMロック解除が必要だが、このようなSIMロックが認められなくなる)。
SIMロック解除が必要なスマホの例について、誤解が生じないように一部表現を変更しました。(2/1 16:30)
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