東京ビッグサイトで1月18日~20日、「第3回 ウェアラブルEXPO」が開催された。ウェアラブル・デバイス関連の製品や素材技術の見本市だ。
ウェアラブルEXPOは業者向けの展示会なので一般消費者向けた商品のアピールは少ないものの、本体に加えてウェアラブルデバイスの技術や素材を各種業界向けに展示、用途提案、商談の場となっている。とはいえ、コンシューマーに近い製品や興味深い技術や素材も見受けられた。ここでは会場で目を引いたものをレポートしよう。
ウェアラブルデバイスとしての大きな流れが「スマートグラス」。一般消費者から見るとまだまだ普及が進んでいないように見えるところではあるが、製造業や流通、サービス業などさまざまな現場でのデバイスとしては着実に地歩を固めてきた感がある。
エプソンでは、手頃な国産スマートグラス「MOVERIO 」では、一般向けの「BT-300」に加え、商用向けの「BT-350」、業務用「MT-2000」をデモ。BT-300に比べて堅牢性を高めているのだが、とくに商用モデルとなるBT-350では不特定多数の利用者に使いやすいように、メガネのツルのヒンジ部分が改良され、幅広い頭部形状にそのままフィットする。ウェアラブルデバイスには表示解像度などハードウェアスペックには現れない工夫も重要だ。
ウェアラブルデバイスのもうひとつの大きなジャンルであるスマートウオッチだが、Android Wareなどの商品自体はあまり展示されていない。とはいえ、注目なのはクラウドファンディングMakuakeで、スタートしたばかりのモジュラー型スマートウオッチ「BLOCKS」。バンド部分にモジュールを追加することで機能追加でき、GPS、気圧計、増設バッテリー、LEDライトの4モジュールが標準付属する。
スマートウオッチ本体でも利用でき、Wi-Fiも搭載しているのでスマホなしでも利用できる。コンシューマー用途としても楽しめそうだが、やはり昨今のスマートウオッチ市場にいきなり参入はリスクも大きいと考えているようで、各種の業務向けとして用途も訴求している。ウオッチのコア部分はAndroid 6.0を搭載、将来的にはSIMモジュールも予定されており、単体で利用できる情報デバイスとして利用できる可能性も。
スマートウオッチ以外のリストバンド型デバイスとしては、フィットネスや介護用途など様々なデバイスが登場してきている。ただし市販製品として展示されているものは、ポラールのフィットネス・トラッカーなどの既存製品を除けば市販製品はまだ少ない。とはいえ、部材や技術に関しては医療・介護用途への用途訴求は多く見られ、需要の高さを伺える。
ウェアラブル市場独特と言えるのが、多彩な繊維素材の展示も注目。フィットネスや医療・介護用途など、身体にさまざまなデバイスを装着することから、それらを繋ぐ導電性繊維が重要となる。大手メーカーも本腰を入れてきており、導電性繊維による給電や通信、あるいは繊維の伸縮を検出するものなどさまざまなものが見受けられた。
今回は業者向けの展示会なので、医療・介護や製造業、建設業、アミューズメントなど各種の業種に向けた用途提案が見られたが、服飾・装身具分野がまだまだ少ないのが気になった(もちろんメガネやウオッチ自体が装身具としての意味合いもあるのだが)。とはいえ、展示されていた多彩な素材や部材を見ると、業務用途だけではなく日常の着用型デバイスとしても登場してくる可能性は高そうだ。
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