富士通研究所は1月10日、手のひら静脈を使ったスライド式静脈認証技術を開発したと発表した。スマホなどモバイル端末に搭載される可能性がある。
手のひら静脈による個人認証は外部から見えにくいことから指紋に比べても偽造が難しいが、赤外線による照明と撮像を必要とする。手のひら静脈認証はすでにATMなどで採用されており実用段階だが、読み取り範囲の問題などにより小型化が難しかった。富士通研究所では、光の回折現象を応用した拡散機能と集光機能を併せ持つ複合光学素子を開発。スマホなどのタッチパネル外周部への搭載も見込める8mm幅までユニットを小型化に成功した。
小型サイズなことに加えて手のひらをスライドさせての読み取りになるため、スキャンにズレが生じることを考慮し、表示されるガイドに沿って手のひらをスライドさせ、分割スキャン結果から手のひら全体の静脈パターンを照合に用いる方式を採用した。また、アルゴリズムを新たに開発し、他人受入率0.001%、本人拒否率0.01%(リトライ1回)まで高精度化できたという。
同社では、2017年度中の実用化を目指して光学ユニットとアルゴリズムの開発を進めるとしている。
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