360度動画はこんなに面白い!
最近話題のVR(仮想現実)。VRだとゴーグル型の端末を装着して360度の映像を見ることで、仮想の世界に没入できるが、AR(拡張現実)を実現するエプソンのスマートグラス「MOVERIO BT-300」も同様に手軽に360度の世界を楽しめる。「MOVERIO BT-300」の場合は視界の一部に映像を表示する形になり、シースルーのメガネを通して現実世界も同時に見ることができる。
「MOVERIO BT-300」は、ジャイロセンサーと加速度センサーを搭載しており、頭の動きに合わせて360度映像も動くため、「見たいところに頭を向けるとそこが表示される」という現実とリンクされた映像表現が可能だ。しかも「MOVERIO BT-300」の場合、シースルーのレンズによりこの360度映像を楽しみながら現実も確認できる形になっている。現実と映像が混在した映像になり、VRとはまた違う感覚で面白いのだ。
映像に視線を合わせて集中している間も現実は見えているので、視聴しながらもある程度の生活をこなせる。VRのように映像に没頭しながらも手元が見える点も便利だ。
実際に「MOVERIO BT-300」で360度映像を楽しむなら、「MOVERIO Apps Market」から無料アプリの「360Viewer for MOVERIO」をダウンロードするといい。起動後、「GET STARTTED」ボタンをタップすると見慣れたYouTubeの画面になるので、まずはYouTubeの公式チャンネル「バーチャル リアリティ」を訪問するのがオススメだ。それ以外でも、「360」「360度」といったキーワードで検索すると、豊富な360度動画が表示されるので、あとは好きなものを選んで再生すればいい。
例えばNational Geographic(ナショナルジオグラフィック)は、美しく迫力のある自然の360度映像を、NASAも「NASA 360」では火星の写真を360度で紹介しているし、ディスカバリーチャンネルの360度映像も迫力がある。変わったところでは、ILLUSION(イリュージョン)によるバーチャルリアリティカノジョ体験ゲーム「VRカノジョ」のデモ用360度動画なんてのもある。
この他にも360度動画を視聴したい場合は、360度撮影が可能なカメラ名を検索ワードに付けてもいい。“GoPro”や“THETA”といったカメラ名で検索すると、それぞれのカメラで撮影した360度動画を視聴できる。
National Geographic「360° Antarctica - Unexpected Snow」
National Geographic(ナショナルジオグラフィック)がYouTubeで公開している360度動画が、「360° Antarctica - Unexpected Snow」だ。National Geographicは、美しく迫力のある自然環境の360度動画などを公開しており、この動画は南極大陸の様子を撮影したものとなっている。足下を見ると動物とくつろいで寝転がっているスタッフの様子なども見えたりするので、いろんな方向を観察するようオススメしたい。
National Geographic(ナショナルジオグラフィック)は、美しく迫力のある自然環境の360度動画などを公開。この動画はそのうちのひとつで、南極大陸の様子を撮影した「360° Antarctica - Unexpected Snow」だ。 |
NASA「NASA VR/360 Astronaut Training: Space Walk」
NASAがYouTube上で公開している、水中訓練を撮影した360度動画が、「NASA VR/360 Astronaut Training: Space Walk」。水上からの撮影風景では単に大きなプールのようにしか見えないが、水中ではさまざまな機器を使って訓練している様子が撮影されており、スケールの大きさに驚かされる。イスなどに座った状態ではなく、立った状態で前後左右や上下を見回して、くまなくその様子を見てほしい。
こちらは、NASAがYouTube上で公開している、水中訓練を撮影した360度動画「NASA VR/360 Astronaut Training: Space Walk」。立った状態で360度見回してみるとスケールの大きさが分かる |
ILLUSION「VRカノジョ(360度デモ動画)」
ILLUSION(イリュージョン)は、バーチャルリアリティカノジョ体験ゲーム「VRカノジョ」デモ動画として、「VRカノジョ(360度デモ動画)」をYouTube上で公開している。「MOVERIO BT-300」で装着して視聴すると、頭の動きに連動して部屋中を見回せるようになっている。
ILLUSION(イリュージョン)がYouTube上で公開している「VRカノジョ(360度デモ動画)」では、部屋中を見回せるようになっている(ちなみにエロシーンはないので、あしからず) |
「MOVERIO BT-300」の可能性を実感できる、3D表示対応動画もオススメ
「360Viewer for MOVERIO」は、そのままYouTubeプレイヤーとしても利用可能で、一般的な動画もそのまま視聴できる。それに加え、簡単に360度、2D/3D表示の切り替えが可能になっており、視聴する映像に応じて視聴方法を変えられて便利だ。単にブラウザでYouTubeを見るよりも快適に視聴できる。
しかも「MOVERIO BT-300」の機能をキチンと活かしており、先に挙げたように頭を動かせばそれにともなって動画の向きが変わるため、360度動画を余すことなく楽しめる。
これら360度動画のうち、特に3D表示に対応したものは、奥行きが感じられるとともに臨場感が増すため、2Dの360度動画とはまたひと味違う印象を受けるはずだ。先に挙げたNational GeographicやNASA関連の動画には3D表示に対応したものもあるため、ぜひチェックしてほしい。
また、VRで視界のすべてがふさがれると何となく不安という気持ちになるが、「MOVERIO BT-300」だと開放感があるので安心だろう。VRゴーグルでは酔いそうだという方も、「MOVERIO BT-300」で挑戦してみよう。
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