カメラマン岡田清孝がオススメ!
カメラマニア待望のEVF内蔵&AF高速化、キヤノンミラーレス機「EOS M5」
カメラマニアも満足するはず!
この冬イチオシのミラーレス機はキヤノン「EOS M5」だ!
私がこの冬買うべきミラーレス機として一番オススメしたいのは、キヤノンの「EOS M5」だ。EVFを内蔵した一眼レフスタイルのボディーに、本格的な撮影をサポートする操作系で、欠点だったAF速度の高速化も実現。カメラマニア、特にキヤノンファンならきっと満足がいくカメラのはずだ。
上級者向けの操作系に、こだわりの視認性
操作系も上級者を意識した造り。2つのコマンドダイヤルを装備し、絞りとISO感度といった異なる設定を即座に変更できる。また後部コマンドダイヤルには"DIAL FUNC"ボタンが搭載され、ISO感度やホワイトバランスなど登録した6つの機能呼び出すことができる。
EVFは約236万ドットと標準的な解像度だが、自社製EVFレンズを採用しているおかげで画面全域でとてもクリアに見える。また縦位置で撮影する際に撮影情報の縦表示されるのも何気に便利。なかなかスペックではわかりにく部分だが、視認性へのこだわりが伝わってくる。
実際に撮ってみてAF速度の向上を実感
従来モデルでは画質は良いけどAF速度がちょっと……なんて声をよく聞いたが、「EOS M5」では全画素位相差AFを実現した“デュアルピクセルCMOS AF”を搭載しAF速度が高速化。果たしてどの程度AFが素早くなったかのか、実際に撮影をして試してみた。
シャッターボタンを半押しすると従来モデルのような迷いかがなく、瞬時にピントを合わせてくれる。続々と高速AFを売りにするミラーレス機が登場する現状では飛びぬけているわけではないが、日常のスナップでは満足のいくAF速度だ。
撮っていて便利だったのが、背面液晶をなぞって測距点を移動させる"タッチ&ドラッグAF"機能。上の写真のような状況で、手前の草木にピントが合ってしまったとき、ファインダーを覗きながら親指一つで直観的にピント位置を変えられるが快適だった。
“タッチ&ドラッグAF”は液晶をなぞる位置も全域や右半分、右下1/4など細かく設定が可能。さらに前面のボタンで即座にON/OFFが切り替えられるので、鼻の頭で誤作動してイラッとしないような考慮がされている。
連写性能はAF固定で約9コマ、AF追従だと7コマ。電車のよう規則的に一定方向に動いていくる被写体なら、ほぼ追従してピント合わせ続けることができた。
マウントアダプターで一眼レフ用EFレンズを使用したときも、“デュアルピクセルCMOS AF”のおかけでAF速度が格段に高速化しているらしい。試しに所有しているEOS登場初期当時のEFレンズを装着して実際に撮影してみた。
モーター非搭載レンズのため動画音がやかましいが、実用的なAF速度で撮影することができた。さすがに30年近く前のなので描写は甘いが、これはこれでレトロ感があって悪くない。ちなみに現行のEFレンズならほぼモーターが搭載されているので、動作音は静かで一眼レフと遜色のないピント合わせが可能だ。
解像感や高感度の画質をチェック
APS‐Cサイズ有効2420万画素の撮像素子を搭載。画質は従来モデルとほぼ同等で、シャープネスを強調させすぎない自然な解像感に自然な発色が好印象だ。
ISO感度はISO100からISO25600まで設定が可能。もちろん最大感度ではノイズや解像感低下で画質は劣化するが、ISO6400程度までは安心して常用できるレベルだ。
魅力的なマクロレンズもラインナップ
「EOS M5」と一緒に使いたいのが「EF-M28mmF3.5 IS STM」。最短9.3cmまでのマクロ撮影が可能で、前面にはLEDライトを備え被写体を明るく照らしてくれる。
直径3㎝程度の花びらの花弁や1円玉硬貨についたキズなど、肉眼では見えない細部を覗くと身近がものにも新しい発見がある。このような面白いレンズがラインナップされているだけで、そのカメラの魅力がグンとアップする。
まとめ
欠点としてあげるなら電池の持ちがやや悪く(公称値約295枚)、長時間撮影したいときは予備のバッテリーは必須。またステージ撮影などで活躍する無音撮影ができないのも残念。ファームアップでの対応しないかな~などど期待する。
とはいえグリップのホールド感やダイヤルの操作感などは撮っていて心地よく、まだまだ少ないレンズラインナップもマウントアダプターでカバーできる。今までライトユーザー向けの感があった「EOS M」シリーズだが、実際に使ってみて「EOS M5」はカメラマニアも満足するカメラだということがわかった。この冬ミラーレス機の購入を考えているカメラ好きは、ぜひ候補にあげて欲しい一台だ。
カメラマン 岡田清孝
撮影の仕事をしつつ、時々カメラのレビューしつつ、中古カメラ店を巡りつつ日々過ごす一応プロのカメラマン。最近実家のカメラ店で古いカメラがたくさん発掘されてたので、何とか使い道がないかと思案中。
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