スマホ、PC、タブレットとマルチデバイス対応が当たり前の音楽定額配信サービスで、まさか「Microsoft HoloLens」が出てくるとは思わなかった。
KKBOX Japan合同会社は11月30日に記者向け説明および体験会を開催した。
「KKBOX」は台湾発、アジアで最大規模のユーザー数を抱える定額音楽配信サービス。日本国内ではおよそ2000万曲配信しており、初回登録から1ヵ月間は無料。その後は月額980円で利用できる。
主な機能は、通信量を気にすることなく聴ける最大4000曲のキャッシュ機能や、オンラインでユーザー同士が音楽を楽しみながらチャットする「Listen with」など。10月にはディープラーニング採用でユーザーごとにアプリUIの最適化も発表している。
説明の場では、デジタルサラウンドフォーマットを提供するDTSとの戦略的パートナーシップ締結と、KKBOXアプリに「DTSエフェクト」を搭載することが発表された。
DTSエフェクトは同社のヘッドフォン用エンハンスメント技術を採用したもの。アプリ内でワイド、フロント、トラディショナルの3エフェクトを選び、サウンドを体感できる機能だ。またヘッドフォン、イヤフォンの選択が可能で、機種に合わせてエフェクトが楽しめる。機種はワイヤレス/有線ともに対応している。
音のイメージとしてはほぼ名前のとおりで、ワイドにすると音に奥行きが生まれ、フロントにすると前頭葉あたりで鳴っている感覚になり、音がはっきりとした印象になる。トラディショナルは普段ヘッドフォンで聴いているイメージ。つまりエフェクトがかかっていない状態と同じだ。ライブ盤であればフロントを選び、たくさんの楽器の音を楽しむならワイド、といった聴き方で楽しめそうだ。
DTSエフェクトは2017年6月までは無料会員でも利用でき、プレミアム会員であれば7月以降も使える。
驚いたのはDTSが「実はKKBOXに提供している」と説明した「Play-Fi」だ。
スピーカーとデバイスをWi-Fiルーター経由で接続し、アプリを使って音源を再生すればネットワークオーディオになる。Wi-Fiが届く範囲であれば最大16台のスピーカーにつなぐことができ、それぞれの音量操作が可能。さらにひとつのデバイスで再生中であっても、違うデバイスでWi-Fiからスピーカーに接続すれば別の音源を再生できる。つまり、スピーカーをアプリとWi-Fiでハックできるというのだ。
少し残念なのはスピーカーのPlay-Fi対応が必要な点。現在対応するのはKlipschやPioneerの一部機種のみで、日本で使うならAmazonなどで並行輸入品を購入するしかない。日本で対応モデルが増えることを期待したい。
Microsoft HoloLensはこれからに期待
会場では、Apple CarPlayやAndroid AutoでKKBOXを利用したときのアプリ画面が見られたほか、家庭のリビングを想定した体験デモコーナーも設置されていた。
そしてMicrosoft HoloLensだ。
Microsoft HoloLensにはスピーカーが内蔵されているので、装着して指でアプリを操作、音源を再生すると聴こえる。空中に映し出されたアプリを操作したら音楽が聴こえはじめるのはとても新鮮だった。
ただし、操作には慣れが必要だと感じた。PCでいうところのカーソルは目線に合わせて動き、決定や選択で指で使うので、操作するにあたり頭が混乱する。
いまのところ「KKBOXが使えるすごい!」 という感想が先で、使いにくさはあるものの、取組としてのおもしろさは感じた。Microsoft HoloLensで映像を見ながら音楽が流れたらARライブになりそうなので、ぜひ目指してほしい。
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