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ウルトラお宝秘話「ウルトラ怪獣造形の神 高山良策さん知ってます?」

2016年12月06日 19時00分更新

ウルトラマン放送開始50年記念、お宝グッズ満載豪華本『ウルトラマン トレジャーズ』刊行記念! 総合プロデューサー佐藤利明さんが本書にまつわるウルトラ濃い話を語ります。お宝の裏側に秘められたエピソードは「ドヒャー」の連続です!!

 娯楽映画研究家・佐藤利明でございます。『ウルトラマン トレジャーズ』の総合プロデュースをさせていただいております。今日ご紹介しますのはあの造形作家、高山良策さん。「高山良策さんって誰?」という方もいらっしゃるかもしれないですけれども、成田亨さんがデザインした怪獣を造形して、ぬいぐるみに仕上げていく美術家の方です。

よみうりランド「水中バレエ劇場」で円谷英二氏に見出されて

 その高山良策さんが「ウルトラQ」のときにずっと綴っていた創作ノートがあります。これはM1号の西村祐次さんが所蔵されていたんですけど。「ウルトラQ」で最初に作った怪獣、ペギラがどうやって作られていくのかというプロセスが、克明にイラストというか図案で描いてあります。まさにデザインノートですね。細かい日付と、いつ円谷プロから発注があり、どういう形で作って、どういう形で納品したか、納品先の円谷プロが撮影している東京美術センター、通称「美セン」のセットでどう直したか、みたいなところまで書いてある。怪獣を作りあげ、納品するまでのプロセスがわかります。

 その高山良策さんについて、この180ページのアートブックの方でも紹介していますけど、この写真は珍しいですね。ガラモンができたときの写真です。高山良策さんがガラモンの後ろから顔を出していますね。

 アトリエ・メイという工房で「ウルトラQ」の怪獣を作っていた高山さんですが、もともと美術造形家として大映の『鯨神』『釈迦』といった作品の特撮美術を担当されていた方だったんです。当時よみうりランドに「水中バレエ劇場」というのがあり、そこでウミガメのモデルを作ったんです。その水中バレエ劇場の総合監修をされていたのが円谷英二さん。ウミガメの造形があまりにも素晴らしいので、高山さんに声をかけて、「ウルトラQ」の怪獣の造形家になっていった。その第1号がこのペギラだったということなんですね。

ガラモンをどういう材料で作るかがわかる

 本誌では高山さんのスケッチと怪獣の比較なども入っております。怪獣がどうやってできあがっていくかを克明に記したのがこの「高山ノート」。ペギラを中心に描いているわけですけど、これ見ていただくと「宇宙司令M774」のボスタングかとお思いでしょう。けど実はこれ、幻の作品となった「オイルSOS」の怪獣なんです。上原正三さん脚本で、円谷一さんが撮る予定になった作品でした。撮影、ロケ場所の関係でクランクイン直前になって急きょ中止になってしまったものですが、高山さんにはすでにこういう形で怪獣が発注されていました。この怪獣は「クラプトン」と言います。本編ではタンクローリーを襲うシーンが予定されていましたが、そこも高山ノートではちゃんとイメージになっていた。

 トレジャーブックがすごいところは、西村祐次さんが保存されていた「オイルSOS」特撮絵コンテをすべて入手しまして、撮ることができなかった特撮シーン全カットの青焼きをコマにしまして、それを上原正三さんの脚本とともに紹介しています。そして、クラプトンとして出来上がっている怪獣の写真も入れました。ですから「ウルトラQ」で映像化されなかった作品について触れているわけですね。

 それから「高山ノート」には、たとえばガラモンをどういう材料で作る、どういう仕掛けで作る。ペギラの中にはこういうふうに人が頭を乗せて……というところも書いてあります。どういう構造で怪獣のぬいぐるみに人が入っていたかが分かるんですね。これも「金城ノート」と同じように、当時のコクヨのデザインノートをそのままの形で再現しました。これぞ『ウルトラマントレジャーズ』のお宝です。

ウルトラマン トレジャーズ

●発行発売:エフェットホールディング株式会社
●企画編集:Team Treasures
●仕様:B4変型 ※ハードカバー付
    180P、写真約500枚、収蔵レプリカお宝資料50点(予定)
●価格:1万7000円(税別)
●全面協力:円谷プロダクション、M1号 他
●発売予定日:2016年12月8日
●予約受付期間:2016年9月9日12時~2016年11月30日
●URL http://ascii-store.jp/p/2016090600001/?aid=expedition11

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(使用期限は2016年12月31日まで)
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