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現地の雰囲気から事前準備、おトクなチケット購入、宿泊まで全部教えます

来年こそSXSWに行こう&楽しもう!達人4氏が語った“攻略法”

参加チケット、宿泊、航空券……工夫しだいで3~4割はコスト削減できる

 SXSWに参加するためには、イベントの参加バッヂ(参加チケット)だけでなく航空券や宿泊の費用、現地での移動費用などさまざまなコストがかかる。自腹で参加するならば、このコストはなるべく抑えたいはずだ。

 そこで、参加コストを抑えるためのさまざまな工夫も紹介された。

 まず、SXSWの参加バッヂからだ。たとえば、インタラクティブの参加バッヂは1325ドル(約15万円)と高額だが、早期購入割引があり、半年前ならば825ドル(約9万3000円)で購入できる。仮に行けなくなっても、オフィシャルサイト上で他人に譲渡(Transfer Badge)できる仕組みが用意されているので、早期にバッヂを購入してしまうのが絶対に得策だという。

「SXSW 2017」のバッヂ料金表(11月25日現在、公式サイトより)。早期割引だと最大500ドルも安いので、のちのち行けなくなっても損することなく譲渡できる

 航空券に関しても同様で、予約する時期が早ければ早いほど安く入手できる。「早めに取れば(往復で)10万円強」(中谷氏)。

 ちなみに、日本からオースティン空港への直行便はないため、サンフランシスコなど別の都市を経由することになる。澤山氏は、少し追加コストがかかるが、そうした都市に立ち寄るのも楽しいと述べた。実際に、この数年は必ずサンフランシスコに立ち寄っているそうだ。

 宿泊に関しては、夜遅くまでイベントに参加しても(飲み歩いても)帰れるという理由で、イベントの中心地であるコンベンションセンターやダウンタウンから徒歩圏に泊まるのがベストな選択である。オースティン市街の治安はさほど悪くない。

コンベンションセンターの外では、バーやライブハウスが立ち並ぶ「6thストリート」を中心に夜遅くまでイベントが開催される(画像は6street.comより)

 ただし、SXSWの会期中、ホテルの宿泊費はとても高額になる。「ダウンタウンのホテルだと(1泊で)8万円もすることも」(中谷氏)。そのため中谷氏、澤山氏は、「AirBnB」を活用して宿泊先を確保するという。

 澤山氏の場合、早期にダウンタウンから徒歩圏に大きめの部屋を借り、ほかの参加者10人程度とシェアしているという。「5日間借りて、1人あたり8万円くらい」(澤山氏)。西村氏も、ダウンタウン付近にそうした“拠点”があると、SXSWで出会った参加者を招いて交流したりすることもできるのでお勧めしたいと語った。

中谷氏は、AirBnBを使って1泊7200円で部屋を借りた。市街から少し遠いためレンタカーで通ったが「レンタカー代を入れても、ホテル泊の10分の1で済む」

 では、こうした工夫の積み重ねの結果、コストはどの程度抑えられるのだろうか。会社の経費で参加し、ホテルに宿泊する帆足氏の場合、トータルで「50万円ほど」かかっているという。また、国内旅行代理店が企画するツアーの場合、バッヂ購入費も含めると「55万円ほど」。これが標準的なコストだろう。

 一方で、コスト節約に励んだ中谷氏は、トータルで「33万円程度」まで抑えられたという。標準コストから30~40%も削減できたわけだ。「これなら“ちょっと贅沢なバケーション”だと思って参加できる」と、中谷氏は笑った。

※注:なお、シェアライドサービスの「Uber」や「Lyft」は、いずれも今年(2016年)5月にオースティン市から事業撤退している(市条例改正で運転手の指紋登録が義務づけられたことに反発した結果)。本稿執筆時点では、オースティン市内ではこれらのサービスが利用できなくなっているので、交通手段の確保にはやや注意が必要だ。一般のタクシーや路線バスは営業している。

中谷氏が披露した“SXSW節約術”あれこれ

事前に「仲間」を作って、積極的な姿勢でSXSWを楽しもう

 会期前/会期中の情報交換、宿泊先やタクシー/レンタカーなどのシェア、一緒に食事に出かけるなど、参加する「仲間」がいれば、現地で助け合うことができ、楽しみも増える。

 「最初は一人で参加したので、夜のパーティがすごく盛り上がっているところになかなか入りづらくて……。でも実は、そういう場で大きな企業がパネルディスカッションをやっていたりもする。今から考えるとすごくもったいないことをしたなと。やはり、一緒に行ける仲間がいるといい」(帆足氏)

 「誰かとくっついて行けば、なんだかんだと楽しみが増えるはず。特に(初心者で)わからないことが多いときほど、先輩にくっついて行くほうがいい」(澤山氏)

 毎年、SXSWの開催前には国内で参加者(参加希望者)が集うミートアップが幾つも開催されているので、出発前にそうした場で仲間を作っておくのがオススメだそうだ。

 トークセッションの締めくくりとして、登壇した各氏それぞれが考える「SXSWの魅力」があらためて語られた。

 「CESなど、ほかの有名イベントのような『完成されたもの』ではないが、その一方で最先端テクノロジーのコンセプトを肌感覚で感じられる。最初は疲れるかもしれないが、これから何度も行くつもりで参加してほしい」(帆足氏)

 「たとえば『昨年よりもVR酔いしなくなった』とか、色々なテクノロジーが徐々に進化していることを実感できる。参加するうちに、新たな分野に興味を持つことも。あとはスタートアップの熱気のすごさ」(中谷氏)

 「“受け身”での参加はやめて、ミートアップなどには多少無理してでも積極的に参加すべき。たとえ英語がよくわからなくても、参加者は先進的なものが好きでオープンな“いい人”ばかりなので、必ず得るものはあると思う」(澤山氏)

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