ウルトラマン放送開始50年記念、お宝グッズ満載豪華本『ウルトラマン トレジャーズ』刊行記念! 総合プロデューサー佐藤利明さんが本書にまつわるウルトラ濃い話を語ります。お宝の裏側に秘められたエピソードは「ドヒャー」の連続です!!
娯楽映画研究家・佐藤利明です。『ウルトラマン トレジャーズ』の総合プロデュースを担当しています。今日は収納するお宝、そしてトレジャーブックの中身をプレゼンテーションさせていただこうと思います。
幻の特撮番組「WoO」カラービジュアル
第1のお宝ということで、180ページオールカラー本誌の巻頭に「幻の企画WoO」というコーナーがあります。これは円谷プロが昭和38年にスタートしたとき、フジテレビで作ろうということで日本SF作家協会とともに制作した幻の作品です。結局撮影はされなかったんですけど、コンセプトアートはあるんです。実はあの小松崎茂先生が描いたもの。先生はカラーで描いたんですけど、コンセプトアートはほとんどモノクロでしか残っていなかったんですね。なんと今回1枚だけカラーが見つかりまして、原画に忠実な形で復刻しました。
幻の特撮番組「WoO」のビジュアル。円谷英二さんを始め、大伴昌司さん、金城哲夫さんたちがイメージしていたもの。ニセWoOが東京で暴れる回(第12話「WoO大いに困る」)のイラスト、これが入ります。
図=WoOコンセプト・アート画・小松崎茂……円谷特技プロダクション初の特撮番組として企画され幻となった「WoO」のために熊谷健が小松崎茂に依頼して描かれた設定画。五種類が確認され、いずれもモノクロしか存在しなかった。今回は唯一、カラー版が見つかった第十二話「WoO大いに困る」のWoOが東京を破壊する場面の設定画を復刻。
「ウルトラQ」金城哲夫さんが描いた幻のエピソード
そして円谷プロといえば「ウルトラQ」ですよね。ウルトラQ最初の企画が「UNBALANCE」。円谷英二さんがオプチカル・プリンターを購入し、TBSに引き取ってもらい、制作に入ったのが「UNBALANCE」でした。なんと、その企画書が入ります。実はこの企画書、「ウルトラQ」になる前に「UNBALANCE」で予定されていたさまざまなストーリーが、サンプルストーリーとして入っていましてね。小さいメモで「金城(哲夫)」ですとか「福島(正実)」ですとか、名前が入ってるんですよ。手書きで。
つまり、誰がこのシノプシス(あらすじ)を書いたか。サンプルストーリーは映像化されていないものがほとんどですが、中には金城哲夫さんが書いた話もあります。「幽霊自動車」なんて話もありますし、後に「ウルトラマン」エピソードのベースになっている話もあるんです。「ウルトラQ」という言葉がないままクランクインに向かって企画した最終企画書。これが今回のお宝に入っています。
図=「UNBALANCE」企画書・円谷プロ企画室……「UNBALANCE」の本格的企画書。日本SF作家クラブの協力による13話のサンプルストーリーを掲載。3本のみが「ウルトラQ」として放映されたが、「幽霊自動車」「霊界放送局」など幻のエピソードが味わえる。手書き部分は原案者名。登場人物も一平が“戸川少年”、江戸川由利子は“倉方由里子=19歳 万城目青年の恋人”とある。
「ウルトラマン」に設定が引き継がれた「科学特捜隊ベムラー」
ウルトラQは、実は昭和39年9月に撮影を開始して、放送前の昭和40年末にはすべてのお話が完成していました。そして昭和41年1月に放映され、昭和41年7月には「ウルトラマン」が始まります。ところが「ウルトラマン」になるにもなかなか紆余曲折がありました。いちばん古い企画書は昭和40年12月です。「ウルトラQ」放送直前に円谷プロが制作、TBSに提出していた「科学特捜隊ベムラー」でした。
渡辺明さんがデザインした「ベムラー」というカラス天狗のような形の宇宙人が、科学特捜隊とともに難事件・怪事件・怪獣に挑んでいくという設定です。基本的には「ウルトラマン」に設定がそのまま引き継がれているんですが、その「ベムラー」の企画書が今回のお宝に入っています。ここにも映像化されていないサンプルストーリー、のちに映像化されていく物語のひな形が描かれていますね。
図=「科学特捜隊 べムラー」企画書・円谷特技プロ企画文芸部……昭和40年末に、円谷特技プロダクション企画文芸部でまとめられTBSに提案された新番組企画案。放映直前に迫った「ウルトラQ」の後番組はカラー作品でという局側の要請に応じたもので、いわば「ウルトラマン」との原点の企画だった。いくつかのサンプルストーリーが掲載されている。
『ウルトラマン トレジャーズ』トレジャーブックの中には、細かい情報、お宝グッズとして入れきらなかったお宝が図版で入っています。「ウルトラQ」誕生についてのいろいろモノやコトも描かれております。ですので、ビデオ、DVD、衛星放送などで「ウルトラマン」「ウルトラQ」をご覧になりながら『ウルトラマン トレジャーズ』を手にされると、ブラウン管の向こうでスタッフたちが奮闘したもう1つの昭和40年、昭和41年があらわれます。円谷プロにみんなが賭けていた夢、ぼくらがあこがれた夢、それをこの中に凝縮しています。この本は単なるお宝グッズ集、単なる「ウルトラマン」解説本ではなく、立体的に昭和40年の「ウルトラQ」と「ウルトラマン」を体感していただくものなんですね。
ウルトラマン トレジャーズ
●発行発売:エフェットホールディング株式会社
●企画編集:Team Treasures
●仕様:B4変型 ※ハードカバー付
180P、写真約500枚、収蔵レプリカお宝資料50点(予定)
●価格:1万7000円(税別)
●全面協力:円谷プロダクション、M1号 他
●発売予定日:2016年12月8日
●予約受付期間:2016年9月9日12時〜2016年11月30日
●URL http://ascii-store.jp/p/2016090600001/?aid=expedition8
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(使用期限は2016年11月30日まで)
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