ソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」にて、11月19日、アプリとつなげるブロック形状の電子タグ「MESH」(メッシュ)のワークショップが開催されました。
MESHはさまざまな機能を持った小さなブロック形状の電子タグ。それぞれ動きセンサー/ライト/ボタン/明るさセンサーなどの機能を持ち、BluetoothでiPhoneやAndroidスマートフォンにつなぎ、MESH公式アプリで各タグをコントロールできます。
これまでのワークショップでは、「世の中のゴミを減らすには?」という発想から生まれた、“ゴミを捨てにくいゴミ箱”(ゴミを捨てようとするとストローがじゃまをする)や、“ゴミを捨てた人の写真を撮るゴミ箱”(ゴミを捨てようと箱をあけると、大きな音がして写真を撮られ、LEDライトが光る)など、課題に対する解決方法を提案する斬新な作品が誕生しているとか。
今回は、MESHタグと、会場に用意された身の回りのアイテムを使い、自由な発想で新しい「仕組み」を考えてみようというもの。ワークショップ内で考えたアイディアはワークシートに記入して持ち帰ることができます。
筆者としては「アプリでアイコンを繋ぐだけとはいえ、慣れないと操作が大変かなー」と思っていたのですが、さにあらず。新しいおもちゃで遊んでいるかのように、集まった子供たちが次々にMESHで仕組みを作っていくのは驚きであり、ちょっと痛快でもありました。
筆者はワークショップの10分前ぐらいに会場入りしたのですが、その時点で、すでに来訪したお子さんたちが興味津々で遊んでいました。つまりわからないところをスタッフに聞きながら、ワークショップが始まる前から自主的に触り始めたというわけ。
これはMESHの操作がカンタンであることだけではなく、ポップなカラーリングとほどよく触りたく・握りたくなるサイズ感が子供にも受け入れられやすかったのではないかと思います。本体につい触りたくなる。触ったら操作してみたくなる……そのあたりにもMESHの魅力があるのかもしれません。
子供たちはいろいろな仕組みを作っていましたが、特に「自分の声を録音して、タグが反応すると鳴らせる」というMESHタグの特性が親しみやすかった様子。ハエたたきを振るとロボットの声が聞こえる、というような新しいおもちゃを作る感覚のお子さんがたくさんいました。
もちろん、失敗もあります。中には、「一定の気温以上になると警告する」仕組みを作ろうとするものの常温では反応しない、「だるまさんがころんだ」で遊ぶための仕組みを作ったがセンサーが反応しすぎる……など、思うようにいかない例も。
それでも、「快適な室温だと別のタグが反応する」という仕組みを新たに追加したり、親御さんやスタッフが「こうしたらどう?」とアドバイスしたりすることで、果敢に仕組みをアップデートしていました。
今回のワークショップでは、MESHが子供たちのプログラミングに触れる第一歩として、とても重要なステップになっていたように思います。
「こういうのがあったらいいな」という仕組みを作るのはもちろん、うまく動作しないときに「こうしたらどうだろう」と条件を変えてみたり、既存の仕組みに別の条件を追加したりと、試行錯誤しながら問題を解決していくのは、まさしくプログラミングのよろこびではありませんか。
ちなみにMESHは子供用のモノというわけではなく、大人が実用的に使っている例もあります。たとえば子供が帰ってきたら家の鍵をほうりこんでおく箱をつくっておき、そこに動きタグを入れる。箱が動いたら子供が帰ってきたことをメールで通知するのです。シンプルなものですが、それゆえに使いやすい。
オフィスでも、ドアの閉め忘れや、テーブルの稼働率を調べるために使っているとか。また、大学の教授が買い、デザイン思考の授業に使っていることもあるそうです。
もうすぐクリスマスです。ご家族や友人へのプレゼントに、ちょっとイマドキな「わかってる」プレゼントとしてもいいかもしれません。ちなみにアスキーストアでも取扱中です。
■ソニー「MESH」
「ボタン」「LED」「動き」「GPIO」4タグセット
2万2980円
「温度・湿度タグ (Temperature & Humidity) MESH-100TH」
「人感タグ(Motion) MESH-100MD」
「明るさタグ (Brightness) MESH-100PA」
各6980円
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