※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。商品のラベルを鵜呑みにする無垢な方はご注意ください。
いまや100円ショップでも互換品のLightningケーブルが買える時代。純正品は高いのでサードパーティー品を買う人も多いでしょう。
でも、その一方で、ネット通販などで「純正品」として売られているものを信じて買ったら、届いた製品は非純正品だった、なんて経験をした人も多いでしょう。パッと見は純正品なのに、実はそうじゃなかった、なんてケーブルが売られているのも事実。
では、非純正のケーブルを見分ける方法は無いのでしょうか?実はケーブルを刺すだけで素性がわかるという、なぞの装置「Lightningケーブルチェッカー」が中国で売られているのです。
まずは確実な「純正品」でチェック
本体の上には電源スイッチと充電のためのmicroUSB端子。充電して電源を入れるだけですぐに使えるとのこと。
一方、本体下部にはLightning端子が2つ。それぞれどちらも同じもので、両方同時に使えるわけではなさそう。片方が故障した時のために2つついているのかもしれません。
では、使ってみましょうね。『iPhone 7 Plus』のパッケージから、純正のLightningケーブルを取り出します。もちろんこれはアップル(香港)で買ったモノホンですよ。
さっそくLightningケーブルをつないでみます。「ピッ」という音が鳴った後、画面に表示がされました。
とりあえず緑色で「原装/Original」と表示されるので、ちゃんと本物のようです。まあ、本物のパッケージから取り出したんだから、当たり前ですよね。
ディスプレーに表示された細かい数字はよくわかりません。ひとまずわかるのは、コネクターがフォックスコン(FOXCONNと表示)製造、ケーブルがベトナムのフォックスコン(越南=ベトナム、富士康=フォックスコン)製造ということのよう。
本当かどうかはチップとケーブルから帰ってくる信号を判断しているのでしょう。そして「E75」とあるのはチップの種別だそうで、これはアップル純正のコネクターで利用されているもの、らしいです。
そして、「評分/Score」が98とあるのは、純正品である可能性。100にならないのは独自の解析技術を使っているためで、「98%の可能性しかない」のではなく「98%と出れば、十分本物であることは間違いない」という意味だそうです。
つづいて、ちょっと怪しそうなケーブルでチェック
では、ここで深センのケーブル屋で「純正品」と言われて買ってきたLightningケーブルを試してみましょう。
袋にはフォックスコンのロゴがあり、同社の工場から流出したもの、だそうです。ケーブルを触ってみたところ質感なども純正と同じようで、ニセモノとは思えない感じがします。
先ほどと同様にケーブルを挿してみます。今度は「E75」の表示は出るものの、「山寨/Copycat」と出ますね。また、評分/Scoreも86です。
つまり、このLightningケーブルは、見た目はそっくりでも中身は本物ではない、コピー品と言うことになります。
ディスプレーの情報を見ると、コネクターはJAE、ケーブルは淮安(中国のワイアン市)フォックスコン、と表示されます。
しかし、E75のチップが山寨ということは、アップル純正品のふりをしたLightningのチップを採用したケーブル、ということになります。コネクタやケーブルの工場も、この通りのものかどうかもわかりません。
さらに、どう見ても純正じゃないケーブルと
大手メーカー品でもチェック
なお、あきらかに認証されてなさそうなケーブルを挿してみたところ、こちらも「山寨」の表示さがされました。まあ、この場合は、買う時点で「これは純正じゃない」ってわかっているわけですから、これでもオーケーですね。
とはいえ、アップルの仕様でつくられたきっちりとした製品には「Original」の表記が出ます。これはADATA製のLightningカードリーダーですが、ちゃんと認証品であることがわかりますね。
チップはE75ではなくC68Aとなりますが、これはサードパーティー向けのもの。このあたりはいくつか種類があるそうです。
中国の問屋の必需品か
この装置の使い道は、サードパーティー製品のチェックと言うよりも、純正品として売られているバルク製品の真偽を確認するためのものなんでしょうね。それだけ中国のケーブル問屋では純正に混じって非純正品も売られている、ということなのでしょう。
もちろん、この装置の判断結果がどこまで信用できるかはわかりません。調査結果の判断は自己責任でお願いします。
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