PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第40回目は、どこかで見たような顔をしている大統領候補のロナルド・ランプ氏を暗殺者から守るボディーガードアクション『Mr.President!』を紹介する。
Mr.President!は、リベラルメディアによってイメージをひどく傷つけられ、最も嫌われている大統領候補になってしまったランプ氏を暗殺者の凶弾から守るゲームだ。
ランプ氏は凶弾に撃たれる以外では全力でぶっ飛ばしても2階から突き落としても死なないため、とにかく弾丸にだけは当たらないようボディーガードとしての務めを果たそう。
銃弾を体でガードしろ!
ゲームは殺風景な控室らしき場所から始まる。カベに貼ってある「President」の新聞の切り抜きをクリックするとお仕事のスタートだ。
基本操作としては「WASD」での移動にくわえ、右クリックを長押しすると周囲の動きをスローモーションにすることができる。自分の動きが速くなるわけではないが、落ち着いて行動できるため便利な能力と言える。ちなみに使用可能時間とかリチャージとかはない。ずっと使えるぞ。
多くのステージではランプ氏の胸元に暗殺者がレーザー光で狙いを定めている。つまりそのレーザー光からランプ氏をどうにかして動かせばこちらの勝ちとなる。
が、まずはボディーガードらしく身を挺してランプ氏を守ってみよう。方法はカンタン。レーザー光をさえぎるようにトランプ氏の前に立てばOKだ。あとは銃弾が発射されると、鋼の体がそれを弾いてくれる。
もちろん主人公も無事。ボディーガードだからね。銃弾なんか恐れることはない。どんどん体を張ろう。
ただし足腰は弱い
このように無敵のボディーガードっぽいが、なぜか物理パズルゲームによく出てくるラグドール並に足腰が弱いという欠点がある。パーフェクト人間などいないのだな。
ステージ上に設置されている椅子などのオブジェクトに少しでもぶつかってしまうと、すぐにつまづいて足腰が立たなくなってしまう。そこから立ち上がるまでに数秒を要するため、そのあいだにランプ氏が撃たれてしまうことはしょっちゅうだ。
それなのに下り階段からのスタートだったり(階段を降りるだけでこける)、なぜかその降りたところに札束がドーンと積まれていたりと(札束にのまれて起きられなくなる)、「絶対トランプを助けさせないぞ」感でいっぱいだ。あ、トランプって書いちゃった。ランプ、ランプです。
そんな主人公の足腰の弱さを認識しつつ、無敵の体を駆使して銃弾を弾くことに専念しよう。間に合いそうにないときは左クリックで前方に大跳躍できるから覚えておくと良いぞ。
ランプの野郎をぶっ飛ばせ!
さて、そんな感じで基本的には自分の体を張ってランプ氏を助けたいところだが、爆弾が降ってきたりでっかいタコスが落ちてきたりして自分の体ひとつではどうにもならないこともままある。
そんなとき、どうするか?
答えはひとつ、ランプ氏の方をぶっ飛ばすのである。
Mr.President!のあたり判定は銃弾や炎、食べ物などなぜか特定のオブジェクトにのみ存在しているため、それ以外のオブジェクトにはいくらぶつかってもセーフ! ランプ氏は助かってしまう。
このためどうしても助けられそうにないとき、というか暗殺者が銃弾で狙っていないときはランプ氏をぶっ飛ばそう! 力の限り!
依頼者のランプ氏には申し訳ないが、これも命を救うため。遠慮なくぶっ飛ばしてやろう。
絶対に守らせないという気持ち
それにしてもゲームの後半になるほど「ランプ氏を絶対に守らせないでござる」という開発者の強い意思が強く感じられる。
乗るだけで崩れる足場を走らされるのはもちろん、数枚のカベの向こう側にランプ氏が設置されていたり、ランプ氏をぶっ飛ばす先にトラップが仕掛けられていたりと完全に生存を許さないレベル。
とくにステージの雰囲気がグアンタナモ収容所っぽくなってきてからは、一見するとどこにランプ氏がいるのか分からないレベルにまで難易度が上がっており、限られた制限時間内でまずはランプ氏の場所を探すところから始まる。
もちろん後半になるほど1秒の遅れも許さないレベルで暗殺されるため、まずは探索。次にトライアンドエラーでの最適ルートの模索、最後にコンマ1秒を争うテクニックが要求される。
だが、それをクリアしてこそのボディーガード。アメリカの未来を守るため、今日もランプ氏をぶっ飛ばそう!
Mr.President!の推奨動作環境は?
意外にも推奨システム要件はGeForce GTX970以上。ミドルクラスのGPUであれば問題無く遊べるようだ。
『Mr.President!』
●Game Developer X
●480円(2016年10月10日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション、アドベンチャー、独立系開発会社、シミュレーション
■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga
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