こんにちは、池澤です。突然ですが、秋葉原っていい街ですよね。
萌えと電気の交差点、サブカルチャーの中心地。最近はDMM.make AKIBAやアーツ千代田 3331ができたりと、日本のメイカームーブメントの中心地になりつつあります。
私は秋葉原の電気街が好きです。気になるガジェットを買ったり、スイッチを集めたり、よく分からないセンサーを漁っていると、財布の紐がユルユルになっている自分に気づきます。
そんな感じで秋葉原をドップリ楽しんでいると、時々こう聞かれることが。
「深センには行ったことないの?」
どうやら、秋葉原の30倍大きい電気街が、中国・深センにはあるらしいのです。めちゃめちゃ気になるじゃないですか!!!! 行くしかないじゃないですか!!!!
ちょうどチームラボの高須さんが、深センに興味津々な日本人を集めたツアーを定期的に開催されており、それに混ぜていただくことに。というわけで、私池澤による深セン5日間の旅行記をお届けします!
香港から深センへ
深センにも空港はあるのですが、私は香港国際空港を利用しました。香港国際空港へはLCCの香港エクスプレスが羽田や成田に乗り入れており、とにかくお安く香港へ行けます。だいたい片道1万円台です。
時折セールが開催されるので、さらにローコストで行くこともできます。ちなみに私が利用した際には「帰りの航空券が0円」というキャンペーンが開催されていました。
香港から深センへはさまざまなルートで入国することができますが、今回私は、難易度がやや高いけど安い、電車とバスを利用するルートで入国しました。
他にもフェリー、スカイリモ(乗り合いのリムジンバス)、タクシーを利用して行くルートがあります。
注意しておきたいこととしては、香港では香港ドル、中国では元でチケットを購入しなければいけません。私は深センのことしか考えておらず元しか持っていなかったので、香港国際空港で香港ドルをゲットしました。
そして、島国の日本人的にはほとんど馴染みがないのですが、香港と深センの間には国境があります。「羅湖(ローウー)口岸」「福田(フーティエン)口岸」「皇崗(ハンガン)口岸」「深セン湾口岸」と、深セン中国間の出入り口は4つ。
「あれ? 香港って1997年にイギリスから返還されたじゃん!? なんで!?」と思ってしまいますが、香港と中国ではお金も法律も教育も違います。香港は高度な自治権を持つ特別行政区ということになっており、国境を設けることで自由な移動を制限しているのだそう。
というわけで、おとなしく国境を目指します。
いざ、世界一大きな電気街「華強北路(ファーチャンぺー)」へ
まずは、華強北路の電気街の中でもわりとまともなものが売っているとされている「華強電子世界」に来てみました。そこには、電子部品やスマホ、PC、ガジェットなどが所狭しと並んでいました。
華強電子世界だけでも大きいのですが、華強北路には他にもたくさんの電気ビルがあり、スマホが並ぶビル、監視カメラが並ぶビル、変わったIoTが並ぶビルと、ビルごとに特色があるようです。ビル巡りが楽しい!
そしてコピー品もたくさん発見しました。今ブームになってるガジェットはだいたいコピー品が出回っています。華強北路では面白いガジェットをめちゃめちゃ安く購入できるのですが、やはり「安かろう悪かろう」です。
同じツアーに参加した人のツイートを覗いてみると、まだまだ行きたいところも欲しいものもたくさんありました。巨大すぎて一度で楽しみきれません。秋葉原の30倍の大きさと聞いていましたが、それ以上あるんじゃないかな?
深圳の市場で一番活況だったのが、あらゆる状態のスマホが取引されてる飞扬时代大厦だった。この異常な人口密度が6Fまで全部! https://t.co/rNrIRpGFDL pic.twitter.com/jq92MpEBCO
INOUETAICHI (@INOUETAICHI) 2016年10月24日
こういう状態で束になって売られるiPhone。まさにハードはゴミ。 https://t.co/xAbTn9omF6 pic.twitter.com/PWhHiuY1z4
INOUETAICHI (@INOUETAICHI) 2016年10月24日
こんなにもカオスな場所があったとは……マジで行きたかったです。
深センの本屋、iPhoneを回路図ベースで解析した修理本や、あらゆる家電の構造を解説する修理本が並んでいる @takah0 さんから聞いて発見 pic.twitter.com/2luMPzm9ep
高須@深セン書籍メイカーズのエコシステ厶 (@tks) 2016年8月9日
本屋さんにはこんな本が並んでいるらしい! 行きたかった! 行けなかった!
#深圳 #深セン でタブレットや周辺機器の集まる桑達電子通訊市場の2Fに、打鍵感の良い薄型軽量英字配列Bluetoothキーボードが25元(約390円)で売ってありました。コスパ良い。お土産に6枚買いました。 pic.twitter.com/WVfRexDaLJ
suna (@sunasaji) 2016年10月25日
お安いBluetoothキーボード。欲しい……。
あー、濃い!! ぜんぜん楽しみきれなかった!! また行きたい!!!!
さらにディープな深センへ、油絵の街「大芬(ダーフェン)」
深センは電気街だけではありません! 今回は足を伸ばして、油絵の街「大芬」に行ってきました。実は、世界に出回る有名絵画の複製画のほとんどが大芬で描かれているらしいんです。
駅を降りて「大芬油画村」というエリアに足を踏み入れると、そこは油絵の街でした。
ここだけで数日間いられちゃいそうなほど面白いスポットでした。大芬、すごくオススメです。
気になる中国のWi-Fi事情は?
中国はインターネットの閲覧規制をしていることで有名ですが、深センに入った瞬間、Google、Facebook、Twitter、LINEに至るまで海外有名サービスが軒並み使えません!! 香港では使えるのに!!
この規制をくぐり抜ける方法はいくつかあります。一番有名なのが、VPNサービスを使うこと。VPNを経由させると、中国のWi-Fiからもこれらのサービスにアクセスすることができます。VPNサービスにはフリーのものと有料のものがありますが、私は有料の「セカイVPN」を使いました。フリーの「VPN Gate」も検討したのですが、今回は安定した接続を優先させて有料サービスをチョイス!
また、SIMフリー端末をお持ちの場合、香港のSIMを使うと規制にかからず、いつも通りのブラウジングを楽しむことができます。事前にAmazonなどで香港SIMを購入してから入国するのがオススメです。
深センで美味しいごはん屋さんを探すには?
深センでのご飯、めちゃめちゃ美味しかったです。
深センで美味しいお店を見分けるコツは「人が入っているか入っていないか」だそう。非常にローテク! 日本でいう食べログ的なアプリ「大众点评」もあるのですが、オール中国語なので使いこなせませんでした。
また、深センでは安い店と高い店の価格差がかなり激しいなと感じました。表通りのお店は大抵価格設定が高めで、一本奥の道に入ると安いお店が多かった印象です。大抵のお店で英語が通じないので、コミュニケーションには工夫が必要でした。
深センでの宿泊はデポジットに注意!
はじめてのひとり海外旅行で、海外旅行の基本が一切分かっていなかった私。宿の取り方も分かっていませんでした。今回はオススメされたAgoda.comで宿を予約。サイト上でクレジットカード決済できて大変便利でした! もっと旅に慣れてきたら「Airbnb」も使ってみたい……。
中国のホテルでは、決済を済ませている状態であっても、デポジットとして100~300元を預けるという謎の文化があります。こちらのお金ですが、チェックアウト時に返ってくるので安心してください。
深センで支払いの未来を見た!
深センでは驚くことの連続だったのですが、特に驚いたのがモバイル送金・決済サービスが普及していたことです。
中国には「WeChat」というメッセージサービスがあります。日本では2014年末にLINEが「LINE Pay」を発表しましたが、WeChatにも「WeChat Pay」というスマホを使った送金・決済サービスがあります。深センではこのWeChat Payがかなり普及しており、高級店から街なかの露店に至るまで、だいたいどこでもWeChat Payで決済することができました。
深センで買い物をしていると、ときどき店員さんが自分のWeChatアカウントを教えてくれます(大抵、名刺にも店員さんのWeChatのアカウントが記載されています)。後から追加で購入したいときや、不良品にあたってしまったときに連絡するのにとても便利です。
WeChat Payでは送金も行なえるので、送金後に商品を送ってもらうこともできます。
日本でもおサイフケータイがありますが、モバイルでの個人間送金はまだまだ一般的ではありません。モバイルペイメントに関しては、中国のほうが1歩も2歩も先を行ってるなと感じました。
短期滞在では味わい尽くせない街、深セン
5日間いただけなのにドッと疲れましたし、ここまで記事を書いているだけでも疲れてきました(笑)それくらい深センは濃く、刺激的な街です。
電気街や油絵街など街のスケールの大きさ、日本の高度経済成長期を彷彿させるような活気、そして日本とのシステムの違いなどなど、驚きの連続でした。
5日間では到底味わい尽くせるような街ではなかったので、ぜひまた訪れたいと思います。リアルタイムで変わりゆく街なので、次に行くときは全然知らない街になっているかもしれませんね。
今回のツアーを主催してくださった高須さん著『メイカーズのエコシステム』には、より詳しい深センの情報が詰まっています。こちらもぜひ読んでみてください!!
ではでは、池澤あやかでした。
タレントの池澤あやかさんは慶應義塾大学 環境情報学部(SFC)卒の才媛で、プログラミングができる特技を生かして独自の立ち位置で大活躍中! 特に好きな言語であるRuby界では女神と呼ばれています。プログラミングの楽しさを紹介する初の単独著書、『アイディアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)が販売中。
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