アスタミューゼは、クラウドファンディングにおける各分野の投資状況について調査・分析を行なっており、今回、世界210ヵ国のAR/VR分野におけるクラウドファンディング市場動向を紹介した。
その結果、後発となる中近東・アジアへの流通金額に勢いがあることが分かった。
流通金額トップの北米地域は、およそ2.6億円を集めたOculus Riftの勢いを受けて2012年から2013年にかけて急伸したものの、翌年より堅調路線に。代わって後発ともいえる中近東・アジア地域が伸びを見せ始めているとのことだ。
中近東地域の勢いを牽引したのは、「世界を仮想の紙面にする」というコンセプトをうたったペン型入力デバイス「Phree - Make the world your paper」だ。イスラエルのベンチャー企業OTM Technologyが開発したもので、どんな場所でもレーザーでペンの動きをトラッキングし、スマートフォンなどに手書きの文字を入力できる。
2016年6月までにkickstarterでおよそ1億2000万円、さらに2016年3月までにindiegogoでおよそ1億1000万円、合計およそ2億3000万円の事前購入予約の獲得に成功しているとのことだ。
その後もイスラエルでは、2015年にFacebookが3DセンサーのPebbles Interfaces社をおよそ61億円で、2016年3月にはスポーツをあらゆる角度からリプレイ視聴できる技術を開発したReplay Technologiesをインテルがおよそ155億円で買収するなど大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次いでおり、イスラエルは「第2のシリコンバレー」とも呼ばれている。日本企業では2015年にサン電子がInfinity ARに出資、さらに同年Lumusとも提携してARによる業務効率化システムの開発に取り組んでいるとのことだ。
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