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少し先のエンタメ技術が集合したデジタルコンテンツEXPO 2016

2016年11月01日 09時00分更新

 デジタルコンテンツ技術をテーマにした展示イベント“デジタルコンテンツEXPO 2016”が、2016年10月27日~30日に東京の日本科学未来館で開催された。少し先のエンターテインメント業界をつくる、大手企業からベンチャー、スタートアップ、大学の研究室、クリエーターらの最新技術、プロトタイプの作品が展示されていた。ここでは会場でちょっと気になったベンチャー企業のサービスや製品を中心に紹介する。

甲冑姿の人工知能対話ロボット

 人工知能を活用した対話型エンジンを開発するネクストリーマーは、甲冑武者の恰好をした人工知能対話型ロボットのプロトタイプ『AI-Samurai』を展示。世界へ発信するためのプロモーション利用されているサムライだが、同社の対話型システムは多言語案内や観光案内と利用できるシステムとして、空港や地方での導入のため各種プロジェクトを走らせているという。

 ネクストリーマーと言えば、アパホテルの元谷芙美子社長をモデルにしたホテルのフロント受付システムをSlush Asiaで展示しており、システムフロー型の対話エンジン『MINARAI』を開発している。

スマホ利用の次世代ボードゲーム

 ロボットとスマートフォンで遊ぶリアルタイム戦略ボードゲーム『CODE HORIZON』を作成しているのが、ベンチャー企業のミラだ。マップ上を自立型ロボットが走り回り、相手の陣地に入るなどミッションを達成するとゲームに勝利。プレーヤーはスマホを使って、戦術コマンドを送ることで部隊を動かして戦況を操る。

一眼2台を利用したリアルタイムトラッキングシステム

 コンセプトが開発するトラッキング技術“Qoncept Q4D Tracker”を利用して、2台のカメラを使って卓球で球の動きをリアルタイム画像処理し、プロジェクターで球速や動きの軌跡をリアルタイムでリプレイ表示して再現するシステムを展示。通常の一眼カメラを利用してできるトラッキング技術で、2016 バレーボール世界最終予選ではデータスタジアムと共同でサーブとスパイクの球速のリアルタイム計測を行ない、3Dで動きを再現するなど、すでに現場でも活用されている。第4回イノベーションリーダーズサミットでも、TOP10ベンチャーに選出された。

音を利用して、映画館でスマホに情報表示

 エヴィクサーの『Another Track』は本来はスマホをマナーモードにしないといけない、映画館や舞台でスマホを活用するデータ連携サービス。スタジアムや劇場などで、音によるデバイス制御ソリューションだ。観客が自分のスマートフォンに専用のアプリをインストールし、映画を視聴すると音の周波数を信号にした“透かし音”を送って、その音をキーとして特定の場面でスマホの画面にガイドや字幕を表示するといった演出が可能になる。劇場のスピーカーを利用し、観客のもってきたスマホを使えるなど初期投資も少ないシステムだ。

 すでに角川映画の『貞子3D2』の演出や明治座のインバウンド向け公演“SAKURA -JAPAN IN THE BOX-”にて多言語字幕の導入実績をもつ。

2.5次元アイドルのためのリアルタイムモーションキャプチャー

 きぐるみライブアニメーターの『KiLA』がヤバい。モーションキャプチャーを利用して、手の指、関節の動きまでを取り込み、リアルタイムでCGキャラクターを動かしてしまうことができる。専用フォーマットの特別なモデルは必要とせず、既存のCGモデルを利用できるなど、実際の人物とキャラクターが融合する2.5次元アイドルが簡単につくれ、演出できてしまうシステムだ。

 すでにTOKYO MXにて生放送アニメ『魔法少女?なりあ☆がーるず』を放送したり、大友ジュンさんのライブの前説で声優の西明日香さん、明坂聡美さんが利用するなどの実績があり、これまでは代表個人で活動してきたが2016年9月20日に合同会社ライブカートゥーンを立ち上げて、本格的に事業化を進めている。

■関連サイト
デジタルコンテンツEXPO2016

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