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高級HPAで、ヘッドフォンからハイレゾの情報量を引き出せ

2016年10月30日 12時00分更新

OJI Specialのフラッグシップモデル「BDI-DC44B G Tuned」

 OJI Specialは、日本の山陽化成が作るハイエンドオーディオブランドで、デジタル音源の再生をスピーカー以外は自前のシステムでまかなえるような製品を開発している。現在までにデータープレーヤー、D/Aコンバーター、マスタークロックジェネレーター、ヘッドフォンアンプなどを製品化した。

 早い時期からデジタルの位相雑音に注目しており、MTCSSと呼ぶユニットを使うことで、外部クロック入力を持たないCDプレーヤーやPC、NASなどのデジタルデータを10MHzの外部マスタークロックで同期できる。

 今回、登場したのは原子クロックの次に高精度といわれるルビジウムクロックを搭載したマスタークロックジェネレーター「D_RMC-01」(147万円)。そして、完全バランスヘッドフォンアンプ「BDI-DC44B G Tuned」である。

「D_RMC-01」にも高剛性HiRISインシュレータが採用されている。同社の製品は今後、全てこのスタイルになることが予想される。

 D_RMC-01はは信号の伝送特性を重視して設計されたマスタークロックで、クロックの揺らぎに関しては発振器の特性だけでなく回路や電源などを総合的に追求したという。クロック信号にサイン波と矩形波が選択できる機能があり、試聴させてもらうと確かに両者に音色の違いがあった。ちなみにルビジウムクロックの精度は10億分の1~1000億分の1で、50万年~500万年に1秒しかズレない計算になる。

出力はアンバランスがステレオ標準端子、バランスはXLR3pin×2とXLR4pinが装備されている。

 BDI-DC44B G Tunedは4つの独立した電源とアンプを持った理想のバランス再生を目指したヘッドフォンアンプで、共通インピーダンスを徹底的に排除、リターンラインも1点式アースを採用して、クロストーク、ノイズ誘導、混変調歪みを防いでいる。また、合計で200VAという超強力な電源を搭載して他チャンネルだけでなく、バランス駆動も互いの影響を受けないように設計されている。

 メカニカルアースを取るため高剛性HiRISインシュレータを採用。フロントパネルとリアパネルに精密加工した脚部を取り付けた3点支持として、接地部分はスパイクかフェルトが選択できる。従来モデルの倍の50W×4ch×±2電源、合計8個の強力な電源部が、静けさの中から音楽が浮かび上がるような新次元の音を体験させてくれた。

 BDI-DC44B G Tunedは95万8000円(受注生産)。納期およそ1ヵ月半。

ステレンス削り出し、予定価格5万ドルのハイエンドモデル

 RE・LIEFは元ソニー開発部門の中山邦男氏が設計する帰還型電流駆動アンプを採用したヘッドフォンアンプのメーカーである。

 DAC内蔵の「E1」とDACレスの「Ea1」を販売している。あとはそれに付随したスタンドやインシュレーターなども製品化している。今回、展示されたのは海外からの要望で作られたSUS304と呼ばれるステンレス合金のブロックから削り出した高剛性筐体を採用した「E1R」である。重さは10.3kg。

展示されている大理石のスタンドとボリュームノブはオプションで標準ではウッドが使われる。筐体は最厚部で端子から2~3cmあり高いシールド効果を発揮。

 約24kgのモノブロックから約10.3kgに削り出されたシャーシは継ぎ目がなく高精度な3次元曲面で形成され、燕市の匠によって手作業で鏡面仕上げされているそうだ。

 アナログ信号の入出力には純銀配線材を使い新部品を採用して音質を調律している。ボリュームは高精度ボールベアリングを採用。海外仕様の予定価格は5万ドルとのこと。入力も出力もXLR 3ピン×2のバランス接続のみに対応。デジタル入力はUSB-Bタイプ、オプションでS/PDIFに対応する。

背面にも継ぎ目がなく、上からUSB入力、バランスのアナログ入力、オプションのSPDIF入力、レモコネクターを使った電源部への接続端子となる。

 FOCALのハイエンドヘッドフォン「UTOPIA」で試聴する機会があったが、その音は極上でヘッドフォン祭で聴いた最上の音だった。

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