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01Boosterが挑戦する大手企業の人材活用

2016年11月14日 06時30分更新

大手企業が直面する余剰人材問題の解決を

 もうひとつ、将来に向けて鈴木氏が進めているのが、イノベーションの“インソーシング”事業だ。

 その趣旨を鈴木氏は次のように説明する。「コーポレートアクセラレーターは社外のイノベーターにイノベーションを担わせるという、ある意味イノベーションのアウトソーシング活動です。ただ私は、日本では一流の人材ほど大手企業の内部に隠れていると考えています。そこでそうした人達を掘り起こしてしまおうというのが、イノベーションのインソーシングなんですね」

 これまでのコーポレートアクセレーター活動などで大手企業の内部に深く関わった鈴木氏が強く感じたのが、多くの日本企業の今の悩みは、余剰人材をどう扱うかにあるという事である。本業が伸び悩み、社員の年齢層も上がっていく中で、活用しきれない人材が大手企業には溢れているのだ。

「これまでの経験から、私は大手企業にとっての優先課題は、新規事業開発よりもむしろ人材活用にあるのだろうと見ています」(鈴木氏)

 これを受けて鈴木氏は、人材活用という新たなフィールドに挑み始めた。その第1弾として実践するのが、“01Dojo”だ。これは、理論と座学に加えて“行動からのフィードバック”と“個別サポート・メンタリング”を通じて、企業内起業家や事業創造を支援する人材などに事業創造を加速する実環境を提供するプログラムである。

「我々がやっているのは研修ではなく実践を伴った環境づくりです。起業した経験のない人間には起業教育はできないと私は考えています。なので起業経験者が集まった我々だからできる大手企業の人づくり支援とは何かを考えた答えのひとつが、01Dojoなのです」

 大手企業とベンチャー企業の事業共創の手助けから、大手企業の人材活用問題にまで踏み込んでいこうとしている01Booster。同社の方向性と鈴木氏のビジョンには、日本の大手企業が進むべき道筋のヒントが示されていると言えるかもしれない。

01Booster 鈴木規文代表取締役

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