ベンチャー留学はここまで社員を変える
オープンイノベーション活動に積極的であり、現在2期目のコーポレートアクセラレータープログラムを実施している森永製菓では、1期目のプログラムを通じて出資しているベンチャー企業のうち2社に、ベンチャー留学としてひとりずつ社員を派遣している。うちひとりはアフリカのウガンダ共和国への赴任だ。
「コーポレートアクセレーター事業というのは基本的にイノベーションを社内に取り込む作業ですが、そうしたスピンイン戦略の“つなぎ手”となる存在を育てることができるのです。また、将来の幹部候補として人材を成長させることにも大きな効果があるでしょう」(鈴木氏)
ベンチャー留学中の2人は現在、自身が意思決定を下し直接経営に関わることのできる経験に夢中になり、1年の約束をもっと伸ばして欲しいと申し出るほどだという。
「1年目は会社が資金面の支援してくれても2年目はない。となれば、自分の人件費のためにも事業を成長させようとするんですね。そして3年目になると、元の大手企業から自分のベンチャー企業へと人材を引き抜こうとするかもしれません(笑)。これってすごいことですよね」
新しいビジネスを起こし、実際に走らせる中で、どのようなリスクが生じ、それに対処するかなどを学ぶことができる人材が育つ──。それこそが、多くの日本企業がベンチャー支援を通じて望んでいることかもしれない。最終回は大手企業の人づくりについての、今後の鈴木氏の事業構想に迫ることとしたい。
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