10月21日に、「スター・トレック BEYOND」(IMAX 3D、DIGITAL 3D、2D)が全国公開となった。スター・トレック BEYONDは、人気SFシリーズ「スター・トレック」をJ.J. エイブラムス監督がリブートしたスター・トレック新シリーズの3作目。本作では、J.Jエイブラムス監督はプロデューサーを務め、新たに「ワイルド・スピード」シリーズのジャスティン・リン監督がメガホンをとった。脚本は、スコッティ役として本作にも登場するサイモン・ペッグさんとタグ・ユング氏が務める。
前作「スター・トレック イントゥ・ダークネス」に出演したクリス・パインさん、ザカリ ー・クイントさん、ゾーイ・サルダナさん、カール・アーバンさん、アントン・イェルチンさんなどおなじみのメンバーが再集結するほか、イドリス・エルバさんやソフィア・ブテラさんなどが新キャストとして登場する。
本作では、エンタープライズ号のクルーが宇宙の最果にある未知の領域を探索し、そこで彼らや惑星連邦の存在意義の真価を問う新たな謎の敵と遭遇する。ジャスティン・リン監督によるスピード感あふれる映像と、監督、脚本などスター・トレックを愛する制作陣が手掛ける新たな物語は、トレッキーもそうでない人も要注目な作品だ。
そして今回、ジャスティン・リン監督に続き、サイモン・ペッグさんにも直接インタビューすることができた。
9歳の自分に伝えたい
ーースター・トレックとの出会いを教えてください。
サイモン・ペッグさん(以下、サイモン):初めてスター・トレックに出会ったのは3歳~4歳くらいのころで、アニメシリーズを最初に観ました。その後ドラマシリーズを観たのですが、そのころはまだエイリアンやクリーチャーが怖かったです。その後、7歳のときにスター・ウォーズと出会いこちらも大好きになるのですが、スター・トレックはより大人向けの作品だと思っているので、内容を理解して大好きになったのはもう少し大人になってからですね。
ーーそんな大好きなスター・トレックに出演、かつ脚本を担当することになった時はどんな気持ちでしたか?
サイモン:もちろん衝撃でしたし、かなりびっくりしました。スコッティ(の役)に出会ったときも、その後J.Jから共同脚本の話が来たときもすごくワクワクしました。毎回、9歳の自分はそれ(スター・トレックへの出演や脚本の担当をすること)を言われたらどう思うだろうと考えるんです。
ただ、自分としてはあまり昔から大好きだった作品に出演する、脚本を担当するということにのまれないように気を付けていました。
なにか新しいことをしたい
ーー脚本を担当するとき、スター・トレックファンとそうでない人のバランスはどう考えられたのですか?
サイモン:感覚的には、昔作られていたテレビシリーズをとても巨大な予算で作るという感じでしたね。スター・トレックを知らない人も意識しなくてはいけませんでしたが、本作は続編というのもあるし、50年間続いてきた作品でもあるので、もちろんファンの人たちも意識しました。ただ、そっちを意識しすぎると何度か観たことがあるようなデジャブ感がでてきてしまいます。初めにクルーたちを5年間のミッションに行かせるというのは決まっていましたが、その中でファンもそうでない人のことも考えて、なにか新しいことをしたいと考えていました。
そこで、前作までは地球の近くで起こる事件だったので、行ったことのない場所を舞台にしようと考えました。また、ファンの人たちにとっては、エンタープライズ号が破壊されるというのはより深い意味をもつでしょうし、過去が戻ってきて現在を助けてくれるという要素も入れました。
自分の撮影の日は、休日のようにリラックスしてのぞめた
ーージャスティン・リン監督から話を伺ったときに、制作期間が短かかったという話を伺ったので、大変だったと思うのですが。
サイモン:そうですね。第1稿を書き上げるまでに6ヵ月しかなかったですし、それが出来上がったからといっても作業は続きましたので、撮影中も脚本を書いているという状況でした。さらにことを困難にしたのは、私はイギリス在住で、タグはアメリカ在住ということでした。当時は『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の撮影を終えた後に脚本を考えたりしてました。また、タグがイギリスに来たり、私がアメリカに行って一緒に考えたりと、大変な作業でした。
ーー撮影中も脚本を考えながら演技もこなすって、かなりキツかったのではないですか?
サイモン:どちらかというと、第1稿までのほうが大変で、脚本の内容が見えてきてスケジュールも決まって優先順位をつけて作業できるようになってからは、プレッシャーは少なくなっていきました。ただ、まったくなくなるということはなかったでしたが。撮影に入った後は、キャストからすばらしい案をもらったりすることもありましたし。また、自分の撮影がある日は芝居をするのがとても楽しかったので、休日のようにリラックスしてのぞむことができました。
ーーでは、現場は緊張感もありつつ楽しかったんですね。
サイモン:緊張感は必ずあったのですが、長年共にした仲間たちが集まっているので、彼らとの友情もあり楽しい現場ではありました。作業量はとにかく多かったですが、最終的に自分としても誇りに思う作品に仕上がったと思います。
ーー今回、ジャスティン・リン監督は初めての参加となりましたが、監督はどういう方でしたか?
サイモン:J.Jは撮影にあたってわかりやすく大きく説明してくれるのに対して、ジャスティンは物静かだったので、初めは監督がどういう人かわからずに戸惑うキャストもいました。でも、私は幸いにも撮影が始まる半年前から彼と話をして、彼について知ることができていたので、監督はこういう人だから心配しなくていいと、ある意味キャストとの仲介役も担っていました。撮影が進むにつれて、キャストも監督のプロセスの立て方なども理解していきましたよ。建設的で生産性の高い現場を作れる監督だったと思います。
ーーサイモンさんはスター・トレック BEYONDの大黒柱的な存在だったんですね。
サイモン:ははは(笑)。そうかもしれないですね。
スター・トレック BEYONDは、希望のある作品
ーーまだまだたくさん聞きたいことがあるのですが、時間だということで、最後に日本の皆さんにメッセージをお願いします。
サイモン:50周年を祝うエピソードになっていますので、スタートレックファンにとってどういう作品になっているかを楽しんでもらいたいです。また、スター・トレックを初めて観るという人は、願わくば(スター・トレックが)楽しい世界ということを知ってもらいたいです。そして、50年分をさかのぼって観てほしいです。
スター・トレック BEYONDは、希望のある内容になっています。希望は今必要なものだと思っています。人類が向かっているのは滅亡など暗いものではなく、明るいものなんだということを感じてもらいたいです。
ーーありがとうございました
作品情報
タイトル:スター・トレック BEYOND
公開日:10月21日(金)
時間:123分
配給:東和ピクチャーズ
(C)2016 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
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