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人手で数週間掛かっていた分析作業を大幅に短縮

日立ハイテク、人の生体計測データから統計的に有意義な情報を抽出する解析エンジン

2016年10月19日 20時06分更新

携帯型脳活動計測装置 HOT-1000

 日立ハイテクノロジーズは10月19日、人の生体計測データから統計的に有意な情報(解析結果)を自動抽出する多変量解析エンジン「ExBrain Analyzer」を開発したことを発表した。

 ExBrain Analyzerは、データ分析におけるさまざまな観点から考えられるすべての組み合わせを自動検索する。調査課題に対し、取得した脳活動や視線や行動などの生体計測データ、注目すべき特徴、ノイズの有効除去方法など、顕著な違いを見つけるために分析すべき観点を複合的に組み合わせると、組み合わせ数はおよそ千~数十万通りにものぼる。この膨大な組み合わせのうち、統計的に有意な解析結果を自動的、かつ短期間で抽出・分析する。

 同解析エンジンの活用により、膨大なデータの中に潜在する有意な解析結果を自動的に抽出する。従来、人手で数週間掛かっていた分析作業を大幅に短縮できるという。

 今回の検証では、人の感性を「快-不快」「覚醒-沈静」の二次元で表現し4つの感性を表す「ラッセルの感性モデル」を元に人の感性と生体計測データとの関係性を推定する指標を見出した。被験者に対し、「快・不快・覚醒・沈静」の4つの感性に対応した画像とその説明文をそれぞれ提示し、携帯型脳活動計測装置「HOT-1000」を使って画像を見たときの脳血流量変化と心拍数変化データを同時に取得した。

携帯型脳活動計測装置 HOT-1000

 このデータをExBrain Analyzerを用いてノイズ除去方法や特徴量を変えながらおよそ1万6000通りの組み合わせを数時間で全通り検索した。その結果、「快-不快」「覚醒-沈静」の軸から感性を客観的に評価できる可能性がある指標を見出した。同社では、今回見出した指標の試行と改良を重ね、商品開発やマーケティングでの活用をめざすとのことだ。

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