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ICTを活用したオンライン講座を開催し、島の特産品をau WALLET Marketで販売

離島の知名度をアップ! KDDIが喜界島で「しまものラボ」を開催

2016年10月14日 19時00分更新

 喜界町役場で開催された「しまものラボ」記者発表会には鹿児島県喜界島副町長の嶺義久氏が登壇。「喜界島では生産者が独自に試行錯誤して特産品を販売しているが、販売ルートの開拓や発信力という面では弱いところがある。しまものラボを町としても積極的にバックアップしていきたい」と語った。

 続いて登壇した喜界町商工会会長の朝崎福利氏は「最近はさまざまなメディアに喜界島が取り上げられるようになってきた」と語り、しまものラボ開催での喜界島知名度向上に期待を示した。

児島県喜界島副町長の嶺義久氏

喜界町商工会会長の朝崎福利氏

 KDDI理事九州総支社長の三井智氏は若者の島離れや人口減、流通や移動コストの高さなど離島が抱える問題点を語り、島の産品販売や島情報の発信とマーケティング支援を行なう「しまものプロジェクト」の意義をプレゼン。「最近は人工知能やARなどのICT技術がある。それぞれの地域にはさまざまないい商品があるが、ICTを活用すれば全国だけでなく全世界に商品をアピールできる。今後の島の発展につなげていただきたい」と語った。

KDDI理事九州総支社長の三井智氏

 NPO法人離島経済新聞社統括編集長の鯨本あつこ氏は「離島では観光客が少ない冬場はどうしても売上が落ちてしまう。日本には400ほどの有人離島がある。都市部と物理的に離れており、逆に離島がブランドとして活用できるのではないか」と語る。また、鯨本氏は「離島と本土は物理的な距離が離れているが、ネットの世界では距離がないのと同じ。しかし、離島から情報を発信しても膨大な情報が飛び交う本土ではその情報が埋もれてしまう」とコメント。しまものラボに関して「モノの本質を探り、その商品を本当に届けたい人に届けることが主眼」と語った。

NPO法人離島経済新聞社統括編集長の鯨本あつこ氏

離島と本州のイメージ。離島から情報を発信しても、膨大な情報が飛び交う本州ではその情報が埋もれてしまう。離島の知名度アップが最大の課題

 同日に開催された「しまものラボ」第1回のテーマは「自分の商品の“課題”と“売り”を探す」。プロデューサー、ブランドコンサルタントの松田龍太郎氏が講師を務めた。松田氏は「しまものラボ」を通じて喜界島の特産品を全国販売するにあたって「ユーザーとつながりたい商品側と、意味もなく商品とは繋がりたくない消費者の間の“サービス”をつくるのが企画」と語る。

「しまものラボ」第1~2回の講師を務める松田龍太郎氏と講義の様子

 講座に参加した喜界島の事業者からは「喜界島からの生きた情報をどうやって配信していったらいいのか」「いいものをつくるということと、いいものを売るということがこんなに違うとは」など、マーケティングや情報発信面の課題点が語られた。

 松田氏は「しまものラボはauスマートパスというECサイトを使う。つまり、店舗販売とは異なり、生産者のみなさんが消費者に話しかける機会がまったくない」とECの特異性を語りつつ「スマートフォンの念頭に考えてほしい」と消費行動の変化についても注意を述べた。商品マーケティングに関しては同氏が手がけた失敗事例を挙げ「パッケージと商品は別モノ」、「自分のが知っていることを消費者が知っているとは限らない。商品情報の伝わりかたを意識する」などのポイントを解説した。

 「しまものラボ」第1回~第2回ではau WALLETマーケットに出店する商品を決めるほか、商品注文時の事前リサーチアンケートとと商品と合わせてユーザーに届ける事後リサーチアンケートを作成する。ユーザーに対する質問事項を決めるのも事業者で、今回の講義を通じて効果的なマーケティングを学んでいく。

 講義の後半に実施されたワークショップでは、事業者に「喜界島を一言で表わすもの」と「自分がおみやげと聞いて思い浮かぶもの」という2点を質問。「喜界島に含まれるおみやげ要素はないか」と考える発想の練習を行なった。松田氏は加えて「商品はどうやって売るのか、ユーザーが買いやすい形状か、商品のパッケージはビニールなのか箱なのか、おみやげ用なのか贈答用なのか、どこで売るのか、売る場所によって最適なパッケージは変わるはず」と語り、つねに売り方を考える意識が重要だと語った。


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