週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ニコニコ町会議 in 北海道 函館市 函館いか祭り

世界初!? ドローン+VRを駆使した未来的プロポーズが素敵すぎた! ニコニコ町会議 in 北海道ほぼレポ

2016年10月05日 17時00分更新

大雨だった前回とは打って変わって、湿度低め、日差しが強めという祭り日和の中で、町会議 北海道函館市が実施されました

「ニコニコ町会議 全国ツアー2106」といえば、4月に開催された「ニコニコ超会議」の地方出張版として、全国9ヵ所をツアー中のイベントだ。岡山富山に次いで、10月1日に開催された7会場目となる「北海道函館市 函館いか祭り」の様子をがっつりレポートしていこう。

町会議会場のすぐ隣で、実施していた函館いか祭り。あらゆるイカ料理やイカ釣りなど、本当にイカづくしな内容で朝から混雑していた

オープニングには函館市の工藤市長が登壇。「最近イカが取れなくて困っているのですが、今日は(函館いか祭りに)たくさん用意しましたので存分に味わってください」と挨拶していた

天候に恵まれたせいか、会場はかなりの混雑に。特に他の会場に比べてコスプレイヤーさんが多かった印象だ。ちなみにリアル来場者数はいか祭りとの合算で1万2000人、ネットの合計視聴者数は29万人だった

「うちの嫁にこなイカーーー!」

 今回の函館における一番のハイライトは、なんといってもサプライズの公開プロポーズだろう。

 町会議は、「うちの町に来て!」というユーザーからの応募を受けて、初めてniconicoの運営が自治体や併催する地元のお祭りの運営団体と開催の交渉に入る。今回、函館に町会議を招致したのはMASSANさんで、「五年前から交際している女性にプロポーズをさせてください」という文面で申し込んでいた。

町会議のオープニングで挨拶するMASSANさん

 そんなMASSANさんのアツい思いを受けて、いつもは町会議に集まったお客さんと出演者が一緒に遊ぶ「大人数遊び」のパートで、このプロポーズ大作戦が執り行われた。

 流れとしては、まずMASSANさんが彼女を会場外に連れ出し、来場者と出演者の準備が整ったら電話がかかってきて、企画の一つである「町VRホラーカー」に彼女と一緒に乗車する。VRホラーカーは2人で体験するコンテンツで、目にはヘッドマウントディスプレー、耳にはヘッドホンをつけるので周囲の状況がわからない。先に彼女に装着してもらい、MASSANさんも乗車。……と見せかけて影武者にすり替わって、ホラーコンテンツが終わったらいきなりプロポーズという形だ。

 アスキー的には、VRとドローンという流行の技術を取り入れているのがポイントだろう。彼女はVRヘッドマウントディスプレーをつけたまま、ドローンを通じて撮影された映像で彼のプロポーズを受ける。最後にMASSANさんが「うちの嫁にこなイカーーー!」と叫んだら、ドローンが急浮上し、会場のみんなでつくったハートとイカの人文字が映し出される演出だ。

 海外では、VRかドローンのいずれかを使ったプロポーズの例が報告されているが、両者を組み合わせたものとなると世界初といえるだろう(筆者調べ)。仕込みではないガチな企画なので、そもそも彼女がサプライズが嫌いだったり、会場に集まったメンバーが即興で実施するがゆえうまくいかなかったりと、何かとリスクもある。そうしたハードルを乗り越えて、はたして結果はイカに……!?

この企画のために、出演者がMASSANさんカップルに扮して、集まったお客さんとリハーサルします

ボーカロイドキャラの1人「結月ゆかり」にコスプレした彼女さんが乗車。コンテンツを体験している4分ほどの間に、MASSANさんがスーツに着替え、ホラーカーからMASSANさんがいるお立ち台までレッドカーペットを敷いて準備する

ホラーコンテンツが終わると、空中のドローン映像にスイッチ。ちょっと驚く彼女さん

「愛するマイへ。自分が口下手なのはご存知の通りなので、手紙にしてみました」と語るMASSANさんの言葉とともに、2人の思い出の写真がスライドショーでVRゴーグル内に表示される

 会場が固唾を呑んで見守る中、MASSANさんはドローン越しに彼女にこう語りかけた。

「付き合う前に偽名を名乗っていたことが判明したときは戦慄が走りましたが、そんな他の人とは違っているところに惹かれていました。多趣味な僕がいろいろなことに手を出しても小言は言いつつ、付いてきてくたことには本当に救われています。自分がサバイバルゲームを勝手に初めて連れていったとき、見学していて打たれてばかりなので、今度は自分が打ってやると始めた時は本当に驚かされました」

「何事にも人一倍真剣なところは、年下だけど本当に尊敬しています。だれよりも一生懸命で、寝ボケたところがかわいくて、どちらかが好きになればどちらかも好きになる、どちらかが折れそうになればどちらかが支えてくれる。たくさん喧嘩もしたけど、最高のパートナーだと思っています。30歳になる前に結婚しようと散々いってきたけど、本当にたくさんの助けをもらって待たせてごめん。どうか結婚してほしい、大好きです。最後に、イカ祭りということもあり、これしか思いつかなかった。マナぼくと結婚してくれなイカー!」

その声に合わせて、ドローンが急浮上

ぐんぐん上がって行って、来場者で作った人文字をくっきりと映し出す。会場の様子はニコニコ生放送でライブ配信されていたが、これには視聴者も興奮して、コメントが「弾幕」状態になっていた

VRゴーグルを外し、レッドカーペットを通ってMASSANさんの元に赴く彼女さん。改めて「どうか僕の隣でずっと2人でニコニコ暮らしませんか」と語りかけると、「よろこんで」と最高の返事が返ってきた。会場全体に喜びがあふれた瞬間だ

最後に彼女にイカゲソをくわえてもらい、MASSANさんが端っこから食べていくという儀式「ゲソキッス」略して「ゲッチュー」が、「ゲッチュー!ゲッチュー!」の掛け声とともに執り行われた

 この成功のために、niconico運営側も社内からトップエンジニアや精鋭のドローンパイロットを現場に招聘し、会場が人口密集地なのでドローンは事前に撮影許可を申請して……と万全の体制で臨んでいたわけだ。さまざまな人の努力と思いが集結して、見事成功できたのは感無量としか言い表せないだろう。

 ちなみに会場で取材していた筆者だが、MASSANさんが全力プロポーズしている様をVRヘッドマウントディスプレーを通じて見ていた彼女が、雰囲気に飲まれて涙するのではなく、逆に「ガンバレー」と応援していたのが印象的だった。この大舞台で肝の座っている感じ、年下だけど意外とMASSANさんが尻に敷かれていたりしませんかね……!?

MASSANさん、彼女さん末永くお幸せに

 そして出会いがあれば、別れもあるのがコミュニティーだろう。今回の町会議では、出演者である踊り手の「れいちぇる」さんが、「会社の仕事が忙しくなったので、来年の3、4月あたりを目処に活動をお休みしようと思っている」と衝撃の引退発言。また、同じく踊り手で道南出身の「のら」さんも、「来年4月ぐらいを目処に活動を一区切りをさせていただこうと思っていて、(ユニットの)『高速猫仮面』としても、北海道で踊れるのもこれが最後かと思う」と告白していた。

 2006年12月12日のスタートからすでに10周年となるniconicoだけあって、当時10代後半、20代前半だったコア層がそのまま20代後半、30代前半にスライドし、社会人として重要な仕事を任されたり、家庭や子供を持ったりと、ユーザーを取り巻く状況も変わって来ている。今年で5年目になる町会議も、子連れの参加者が結構目立っていたのも時代の流れだろう。

 マンネリといわれつつも、着実に「ニコ厨」とともに人生を歩み続けているniconico。有名ユーザーの2代目デビューなど、次の10年で起こる変化に期待です。

次の町会議は、10月9日に「愛知県名古屋市栄久屋通秋祭り」として開催されます。毎年大混雑の名古屋栄ですが、ぜひご来場ください!

*次ページより、激アツな会場の様子を写真でお届け!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります