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Acronisの製品責任者が語る、顧客志向のバックアップ技術

要望されれば、冷蔵庫のバックアップもとれるようにする

2016年10月03日 09時00分更新

9月14日、アクロニスの個人向けバックアップソフト「Acronis True Image 2017」がバージョンアップした。発表会には、個人向け製品を統括しているガイダー・マグダヌロフ氏が初来日。アクロニスが目指すバックアップソリューションについて語ってもらった。

――アクロニスの歴史について教えてください。2003年の設立以来、バックアップソリューションを中心に手がけてきましたが、市場はどのように変化してきましたか?

ガイダー われわれの事業が立ち上がったのは2000年のシンガポールでした。アクロニスはSWソフトという会社の一部門でした。2003年の独立後、2011年に最初の「Acronis True Image」が登場しました。その当時とても重要だった課題は2つあります。1つは、コンピューター上にある情報をすべて保護するということ、そしてもう1つがデータ移行、つまりあるコンピューターのOSやファイルをリカバリーして、別のコンピューターでも同じ環境を使えるようにするということです。

 その後、モバイルデバイスの普及により、複数デバイスからデータを収集して一元管理し、データの保護と同時に検索をかけられるようにしたいという課題が出てきました。いまはモバイルデバイスのストレージが増えてきましたが、それでも空き容量を確保するために、多くの人がデータを削除しながら利用しているでしょう。つまり、使わないデータはアーカイブして、外付けのストレージやクラウド環境に保存したいというニーズが出てきています。また同時にSNSやクラウドサービスなどでデータが生成されるようになってきました。

2ステップでバックアップが取れる操作が簡単な仕様。

 その一方で人々は、データの保護に対して一切時間を割きたくない。ソフトをインストールしたら、あとはデータ保護に対してお任せしたいと思っているのです。ということで、われわれのバックアップソリューションのミッションは、インストールして1回設定さえすれば、立ち上がってずっと動き続けることにあります。バックアップして下さいと言っても、誰も作業してくれないからです。

とりわけ几帳面なのは日本人とドイツ人

――バックアップを取るという意識は、日本人とそれ以外の国の人では違いがありますか?

ガイダー はい、これは国によってまったく違いますね。頻繁にバックアップを取る几帳面な人は世界でも日本人とドイツ人だけです。日本やドイツの写真家に話を聞くと、かなりの割合で撮影データをまずPCに保存。同時に外付けのHDDにもコピーを取る。さらにキチンと二つのフォルダーを並べて見て、抜けはないか目視すると言います。ほかの国ではそんなことしませんよ! 一度コピーを実行したら、ある意味ほったらかしで、あとはOSが勝手にやってくれるだろうと信じ込んでいます。

――日本やドイツの人はかなり几帳面なんですね。

ガイダー はい。それと年齢によっても違いますね。高齢者は、PCに何があるかは気にしますが、モバイル側はあまり気にしません。一方、若者はすべてモバイルの中に入っているという状況です。ただ地域差もあって、アメリカでは70歳から80歳ぐらいの方々は、一切PCを使わずにモバイル端末にだけデータを置いているケースも多いんです。結果として生活の情報すべてがモバイルに集約されてしまっている。こういうスタイルの人にはバックアップが重要です。

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