※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーと仲間たちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、もっと刺激がほしいギークのためのコーナーです。今回はシモケンさんより冷や汗タラタラご寄稿いただきました。
リスキーのツチノコ局員になりつつある私シモケンですが、本業では、とある製造業に携わっております。工場のある中国へは、それこそしょっちゅう行くわけですが、今回ちょっと冷や汗モノの一幕ありまして、心臓バクバクのまま飛行機内で本稿をしたためています、アナタに。
スマホに関係するお仕事なので(詳しくは書けませんが)、いつも手荷物の中には某ハカセに負けないほどたくさんスマホが入っています。今回は20台くらい(詳しくは書けませんよ)。で、ちょうどiPhone 7の発売日直後でもあり、検証用に3台のiPhone 7と2台のiPhone 7 Plusも日本から持ち込んでいたんですね。その中には必死こいて入手したジェットブラックも含まれています。
発売されたばかりということもあり、とくにジェットブラックは中国でも人気で入手難が続いてます。香港を含め“外”で入手されたiPhone 7を大量に大陸へ持ち込み、高値で転売するビジネスがこの時期必ず問題になります。ですから香港と大陸の間にある境界の入国審査では、通常よりも厳しく荷物検査が実施され、「密輸iPhone没収」というニュースがTVを騒がせるほどの恒例行事になっています。もちろん、税金を払って正規に持ち込む事もできますが、持ち込める数には上限があります。
私も香港から中国大陸に入る際は気を引きしめています。疑われないよう箱から本体を取り出し、画面に貼られている保護用のシートは剥がし、端末はアクティベーションを済ませた状態にしておく等々……。ただ、入国は問題はなかったのですが、今回のトラブルは帰国のときに起きたのです。
いつもは陸路なのですが、今回はフェリーを使って海路から直接、香港空港に向かうという帰路でした。中国は10月1日から国慶節(建国記念日で大型連休)なので、混雑を嫌った外国人でごった返すなか、フェリーに乗るため出国に向けて荷物検査のX線を通った際、係員に呼び止められます。
普段はやる気の無い感じで、手荷物のカバンにPCを入れっぱなしでも通れてしまうこともあるくらいなので、「PCだな」と思い、「ゴメン、出すよ」と言うと、荷物検査をするからと脇のスペースへ促され、カバンを開けるよう指示されました。
面倒だなと思いつつ、まず懸念のPCとタブレットを取り出すと、係員が「中身全部だ」と言います。この時点でちょっとマズいなと思ったのですが、スマホがまとめて入れてあるビニール袋を引っぱり出すと、係員の顔色がみるみる変わり、2人に挟まれる格好で別室に連行されたのです。
机の上に置かれた“スマホの山”の中からiPhone 7(ブラック)と、iPhone 7 Plus(ジェットブラック)をつまみ上げ、「これらはオマエの物か? 何でこんなに持っている?」と。「仕事で使うため、日本から持ち込んだ」と言い、名刺と自社のWebサイトを見せるも、製品サンプルの類は別送しているため手元にありません。怪訝な顔をした係員の口から「没収」などという物騒な単語が言い放たれます。
ヒジョーにマズい状況! 一瞬の間にいろいろな考えがよぎります。そうだ、Apple Careの登録書メールや購入時のレシートなどがカバンに入っているハズ! それらを見せながら説明すること数十分(かな? もうわからない…)、やっと誤解が解け、無事に香港へ入ることができました……。
箱や付属品付きの最新iPhoneは転売の疑いが強いため、1台でも(見つかれば)問い詰められるようです。中身だけでも3台以上、最新モデルがあるとほぼアウト。2台までは、iPhoneがまだデュアルSIM非対応のため、香港と大陸用で2台持ちをするケースも多々あるだろうということで、説明すれば逃れられるかもしれません、保証はできませんが……。
ホントはシルバーやローズゴールドのiPhone 7も持っていたので、もっと丁寧にチェックされていたらアウトだったかもしれませんね。
今回、想定外だったのは大陸を“出る際”に引っかかったこと。これは政府がかなり厳しく取り締まっているということでしょう。20年以上、中国を出入りしていますが、こんなことありませんでしたからね。中国大陸へiPhone 7を持ち込む方は、入国の時だけでなく、出国の際も十分に注意しましょう。はぁ、疲れた……。
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