スクウェア・エニックスは東京ゲームショウにて、VR技術を使って漫画を視聴するデモ「プロジェクト Hikari」を出展した。
本デモは“あなたが大好きな「あの物語」の向こう側に行けたら、どんな体験になるだろう”という疑問から生まれたゲーム開発技術と漫画コンテンツを融合させたユニークなコンセプト・ショーケース。
会場で体験できるのは、月刊ビックガンガンで連載中の「結婚指輪物語」(めいびい作)のストーリーを、約8分間「HTC Vive」で楽しめる。VR空間に表示された漫画を、手に持ったVRコントローラーでめくる動作をすると、ストーリーが再生される。また、漫画のコマをVRコントローラーで掴み、移動させることが可能。目の前に持ってきて、漫画の細かい描写じっくり見たりもできる。
アニメーションで漫画のコマが空間に浮かんで表示され、音声付きで物語が進む。純粋な漫画ともアニメとも異なる視覚表現は、新しい感覚だ。主人公とヒロインは3Dモデリングで作成され、漫画のコマから立体的に飛び出している。一見白黒映画を見ているような感じにも思えるが、周囲360度が現実世界から乖離しているため、漫画の世界により没頭できるのも本作の魅力。
開発エンジンはUnreal Engine 4.12で、デモを動作させているPCは、GeForce GTX1080を備えたWindows機とのこと。高性能グラボを搭載しているため、再生はスムーズで遅延もない。一部、主人公が漫画のコマを背景に動く場面もあるが、基本静止画を見ているようなモノなので、酔いは感じなかった。
あくまで、今回の出展は参考展示であり、ビジネスとしてVR表現の作品を販売する計画は今のところないとのことだが、体験者の反応を見て検討するかもとのこと。一部3Dモデルを使用しているため、そうした制作の手間はかかるようだが、漫画のコマをそのまま使用していたりと、3Dのマップを新規で起こすゲームなどよりは、省エネで作成できるようだ。
漫画の名場面のみをVRで視聴できるようにしたりと、いろんな可能性がありそうなので、ぜひそうした作品の提供を検討してみて欲しいものだ。
©MAYBE/SQUARE ENIX
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