週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

iPhone 7のApple Payは日本でリアルに「使える」仕様がうれしい

2016年09月16日 10時00分更新

 今週の話題は、なんといっても「iPhone 7」です。9月9日の予約開始に筆者も参戦したものの、新色の「ジェットブラック」は直後に売り切れ。確実に入手できるよう、ドコモ版のシルバーを予約したものの、発売日の入手は微妙な状況になってきました。

かつてなく争奪戦が激しい気がする「iPhone 7」(新色のジェットブラック)

海外とは異なり日本のApple PayはFeliCaベース

 iPhone 7は日本に関係のある要素が多かったこともあり、9月7日の発表イベントも盛り上がりました。筆者はIFA 2016からの帰り道、イスタンブールの空港ラウンジで、「マリオ」や「FeliCa」の登場に興奮していました。

空港ラウンジで発表イベントを待機中の筆者。イベント中はあちこちから中継の音声が聞こえてくるほど、旅行者の注目を浴びていた

 最初に言及しておきたいのが、Apple Payについてです。ハワイで銀行口座を作り、海外を中心にApple Payを使ってきた筆者ですが、10月後半から日本で始まる予定のApple Payとはちょっとした違いがあります。

 筆者のiPhone 6sには米国のデビットカードを登録しており、「MasterCardコンタクトレス」(旧PayPass)などの、NFC Type-A/Bベースの非接触決済を利用できる状態です。

ロンドンでは交通機関やスーパーの買い物でApple Payが大活躍したが、いずれもNFC Type-A/B方式のもの

 この方式は米国や英国で広まっているものの、日本国内では限定的にしか導入されておらず、筆者も函館朝市や沼津港、舞浜のイクスピアリといったごく限られた場所でしか決済に成功していません。

こちらはデンマーク全土で使われているICカード「REJSEKORT」。ロンドンのオイスターカードと同じくMIFARE(NFC Type-A)を用いている

 もし、海外仕様のまま日本でApple Payが始まっていたとしたら、ほとんど活用できる場所がなく、「炎上」していたことは想像に難くありません。

Suica以外のICカード対応もほしい

 iPhone 7では、日本で発売されるモデルだけがFeliCaを搭載することになり、これには本当に驚かされました。3月の時点で筆者はFeliCa搭載について言及していますが、このときは「まさかそんなことはあり得ないだろう」と思って書いています。

 さらに、これまでのApple Payに欠かせない動作だったTouch IDによる指紋認証が、Suicaの「Expressモード」では省略されています。ラッシュ時の自動改札でTouch IDによる認証などやっていられない、という日本の実情を踏まえた対応といえます。

 

Suica利用時にはTouch IDによる認証なしに使えてしまう。日本の事情を踏まえ、しっかり作り込んでいる印象だ

 発表当初、iPhone 7のSuica対応は従来の「モバイルSuica」とは異なり、機能が限定されるものと予想されていました。しかしJR東日本は定期券購入などの機能を持つアプリを提供する予定。さらにVIEWカードであればオートチャージにも対応することが判明しており、10月後半のサービス開始まで、いろいろと動きがありそうです。

 今後はSuica以外のICカード対応にも期待したいところです。今回、iPhone 7ではSuicaを持っていない人でもアプリ内でSuicaを発行できるようです。しかし地方にはそれぞれにICカードがあり、愛着をもって使っている人も多いはず。筆者は東京在住ながら、地下鉄の利用が多いためPASMOを日常的に使っています。

PASMOや地方のICカードなども、Apple Payで使えるようになってほしい

 これまでガラケー時代から使われてきたおサイフケータイは、スマホ時代になってiPhoneが普及したこともあり、先行きは明るくない状況でした。しかしiPhoneがFeliCaを搭載したことで、再び盛り上がることに期待したいものです。

Apple Payが始まれば、日本でもあちこちにロゴが登場するかも(写真は英国・ニューカッスルで撮影)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事