■実際に1時間で発電できる電力量をチェック
実際に「PowerPort Solar」をリュックに装着した状態で「ポケモンGO」を遊びながら1時間でどれだけの電力を発電できるのかをチェックした。USB端子に「ポケモンGO」を起動したiPhone 6sとモバイルバッテリーを装着し、USBの電力チェッカーで発電量を記録する。
テストを開始したところ、ひんぱんにiPhone 6sの充電開始と停止が繰り返された。理由は、天候や周囲の建物、太陽への向きで発電電力にムラが生じるうえ、iPhone 6sは一定の発電量を下回ると充電を打ち切るからだ。発電環境が一定なら問題ないが、ランダムに歩いているとそうはいかない。
1時間後の発電量だが、モバイルバッテリーは発電ムラがあっても継続して充電が続くようで、2891Whぶんの発電電力を供給できていた。一方「ポケモンGO」を起動したiPhone 6sは何度も充電の停止と開始を繰り返したためか、チェッカーの計測が途中で停止していた。
だが、iPhone 6sのバッテリー残量を確認すると、計測開始時から増減を繰り返して結果的に差し引き0%になっていた。このことから、冒頭でテストした「ポケモンGO」を1時間遊んだ場合の消費電力テストと照らし合わせると、内蔵バッテリー30%ぶんの電力が供給されていたことがわかる。
このWhやiPhone 6sの残量という表記では発電量を理解しづらいので、バッテリー容量とおなじmAh表記でおおまかに以下の表にまとめた。なお、実際には発電量と比べてバッテリーに充電できる量は若干少なくなる。表の数値は目安として見て欲しい。
晴れた夏の日に広い場所を1時間歩くと、バッテリー容量に換算しておよそ1295mAhぶん発電できることがわかる。USBの出力電力で言えば、1時間のあいだ平均5V/1Aを供給できていたことになる。日中に2~3時間発電し続ければ、スマホ1~2台ぶんの電力はまかなえる電力量だ。
なお、今回のテストでは光量が不安定な状態でソーラーパネルとスマホを直接充電すると、充電通知が何度も鳴ってめんどうなことに加えて、内蔵バッテリーの充放電の繰り返しによりバッテリー寿命を縮める可能性が見られた。通常は、ソーラーパネルとモバイルバッテリーの組み合わせて利用したほうが使いやすいだろう。
このテストで充電したモバイルバッテリーで実際にiPhone 6sを充電したところ、32%(3.7V/548mAh)ぶん充電できた。電力ロスが発生しているが、発電電力を長期間保存できるメリットを考えると許容できる範囲だろう。
■街中や曇りの日にソーラー充電の常用は難しい
次に、晴れた日の市街地や曇りの日でも発電を試してみた。だが、市街地ではビルや建物、木陰が太陽の光を遮るのでほぼ発電できなかった。曇りの日も市街地と同様に太陽直射日光を得られず、発電自体ができなかった。太陽の直射日光を受けられない場所や天候では、発電できないと考えて良さそうだ。
■結論:晴れた日のアウトドア、災害対策にソーラー充電は有用
ソーラー発電機器の「PowerPort Solar」だが、晴れた日なら「ポケモンGO」をバッテリー消費なしに遊びつつ、モバイルバッテリーの充電もできた。だが、昼間の太陽の照度は夏場は100000lxに達するが、これから迎える冬場は50000lx前後なので発電量は下がる。
利用用途として相性が良いのは、泊まりがけの登山やキャンプ、サイクリングなどのアウトドア用途だ。数日のあいだ電源をとれない場所での宿泊を考えているなら、移動中から緊急時も含めた貴重な発電手段になる。
自宅の災害時の避難袋に入れておくのもアリだ。スマホぶんとはいえ、特別な燃料や人力なしに発電できると助かることも多いだろう。このクラスのソーラー発電機は低価格な製品も増えてきた。遊べるガジェットとしても、緊急時の発電手段としても、自宅に1~2個を用意しておくと買っておくと安心ではないだろうか。
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