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モバイルバッテリーの充電効率と速度をチェックする

2016年09月21日 11時00分更新

■Quick Charge 2.0と3.0対応バッテリー、どちらを買うべきか■

 クアルコムの高速充電規格“Quick Charge 2.0”対応のスマホを使っている場合、“Quick Charge 3.0”対応モバイルバッテリーと、通常のモバイルバッテリーのどちらを選ぶかが悩みどころだ。

 今のところ“Quick Charge 3.0”対応製品はやや高額なうえ、大半は1ポートの製品。一方、通常のモバイルバッテリーは安価なうえに出力5V/2.4Aで2ポート出力など使いやすい製品が多い。

 そこで、実際にauの「Xperia X Performance SOV33」を、今回紹介した10000mAhクラスのモバイルバッテリー2機種で充電し、充電速度を比較してみた。テストに使ったのは“Quick Charge 3.0”対応のAnker「PowerCore 10000 with Quick Charge 3.0」と、合計5V/2.4A出力2ポートのcheero「Power Plus 3 10050mAh」だ。

auの「Xperia X Performanceを」、Anker「PowerCore 10000 with Quick Charge 3.0」とcheero「Power Plus 3 10050mAh」で充電した

 結果、充電から1時間後を比較すると“Quick Charge 3.0”対応モバイルバッテリーの方が11%ぶん多く充電できた。だが、フル充電までの時間は6分しか短縮されていない。この結果だけを見ると“Quick Charge 3.0”対応モバイルバッテリーの恩恵は確かにあるが、極端な差は出なかった。価格やポート数の多さといったメリットを考えると現状では、非対応モデルの方がおトク感はある。

 充電を観察していると、“Quick Chrage 3.0”対応のモバイルバッテリーで「Xperia X Performance」を充電する際、残量0~50%までの出力電力は9V/1.6~0.8Aとかなりのムラがあった。本体がやや熱くなっていたので、定期的に充電電力を抑えていた可能性がある。

 なお、後述する“Quick Charge 3.0”対応スマホ「HTC 10」では、同じ条件で7.2V/2.4A前後と充電電力のムラが少なく発熱も控えめだった。“Quick Charge 3.0”対応モバイルバッテリーは“Quick Charge 3.0”対応スマホと組み合わせたほうが、クアルコムの案内どおり充電効率が高く本来の性能を発揮できるものと推測できる。

■USB Type-CとQuick Charge 3.0の違いをチェック■

 今年に入って両面挿しのUSB Type-C(USB-C)端子搭載スマホや、新しい充電規格“Quickcharge 3.0”に対応したスマホが増えつつある。そこで、これらの規格の充電についても検証してみた。

USB Type-C(USB-C)充電は2017年に主流に

 USB Type-C(USB-C)は、裏表どちら向きにも挿せる利用者待望のUSB端子だ。スマホには昨年の「Nexus 5X」「Nexus 6P」に採用されたのを皮切りに、2016年に入ってファーウェイやHTC、マウスコンピューターなどいくつかのメーカーから対応スマホが発売されている。まだ海外で発表されたところだが、最新のXperiaシリーズ「Xperia XZ」や「Xperia X Compact」、ASUSの「ZenFone 3」シリーズにも採用。今年後半から採用端末が一気に増えると見られている。

USB Type-C端子はmicroUSB端子とほぼ同じサイズだが、USB3.1の高速転送にも対応できるのに加えて、裏表どちらでも抜き差しできる

 USB Type-Cケーブルの充電規格だが、従来の5V/1.5Aに加えて、5V/3Aという給電規格が追加された。

 また、より高出力なUSB PD(Power Delivery)という最大20V/5Aに対応した規格もある。だが、これは大電力を必要とする機器向けで、現在採用しているのは新「MacBook」などPC製品が中心だ。

Quick Charge 3.0は2.0からどう変わったのか

 次に、ハイエンドのAndroidスマホを中心に搭載されているクアルコムの急速充電規格“Quick Charge 3.0”だ。現在多くのハイエンドスマホに搭載されている“Quick Charge 2.0”の後継規格となる。

国内ではauが取り扱う「HTC 10」はUSB Type-Cに加えて“Quick Charge 3.0”にも対応する

 “Quick Charge 2.0”では給電電圧が5V/9V/12Vの3段階だったのに対し、“Quick Charge 3.0”では3.6V~20Vの間で最適な電圧に切り替える設計になった。このほか充電アルゴリズムを変更したことで、2.0と比べ充電速度が最大27%高速に、消費電力の効率を45%改善したという。

 もちろん“Quick Charge 3.0”対応のUSB充電器やモバイルバッテリーは“Quick Charge 2.0”と互換性がある。“Quick Charge 2.0”対応のスマホをつないだ場合も急速充電が可能だ。

USB Type-C(USB-C)とQuickCharge 3.0を検証

 では、現在発売されているUSB Type-Cや“Quick Charge 3.0”にも対応したスマホは、どの方法の充電が速いのだろうか。

 テストとして、USB Type-Cの5V/3Aに対応した「Nexus 5X」と、USB Type-Cかつ“Quick Charge 3.0”対応のau「HTC 10」を用意。ある程度公平に充電速度を比較するため、このテストではUSB Type-CとQuick Charge 3.0の両方に対応したUSB充電器としてサンワサプライの「ACA-QC43CUBK」を利用した。

 Quick Charge 3.0での充電に使用したUSB Type-A-USB Type-Cケーブルは、Androidアプリ「ChekR」にて、56kΩの抵抗を実装した正規規格の製品であることを確認している。

サンワサプライのUSB充電器「ACA-QC43CUBK」。USB Type-Cと“Quick Charge 3.0”の両方に対応したUSB充電器。いちどに片方しか利用できない

 充電速度でトップは“Quick Charge 3.0”充電と“Quick Charge 3.0”対応のau「HTC 10」の組み合わせ。3000mAhバッテリー搭載だが1時間35分とこれまでのスマホにはない短時間で充電が完了した。実際の充電電力が実測で7V/2.5A前後(17.5W)と、USB Type-Cの規格5V/3A(15W)すら上回っているうえに、長くなりがちな99%~100%の充電時間も短い。USB Type-Cからの充電はやや遅いが、それでも従来の容量3000mAhスマホは充電に2時間以上かかるので、これでもかなり高速だ。

 「Nexus 5X」の充電速度は“Quick Charge 3.0”とUSB Type-Cともにほぼ同じペースだ。どちらもUSB Type-Cの5V/3A(15W)の規格で充電しているものと見られる。実測では5V/2.5A(12.5W)だった。これは、従来のmicroUSBのスマホでよく見られる実測5V/1.8A(9W)よりも高い電力だ。

 なお「HTC 10」と「Nexus 5X」を今回紹介した通常のモバイルバッテリー(Quick Charge 3.0非対応)の製品で充電したところ、5V/1.5~2.0Aでの充電になった。5V/2.0Aを超える電力で充電するには“Quick Charge 3.0”対応のものか、USB Type-C端子対応のモバイルバッテリーが必要なようだ。

 今後充電速度が速いスマホが欲しいなら、高い電力に対応した“Quick Charge 3.0”対応+USB Type-C搭載端末か、USB Type-C搭載端末を積極的に狙っていったほうがいいだろう。

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