iPhone 7/7 Plusの大きな特徴の一つに、カメラが挙げられます。
レンズがより明るくなり(iPhone 6s:F2.2→iPhone 7:F1.8)、そして光学式手ぶれ補正が両モデルで標準搭載になりました(iPhone 6sは非搭載)。
特に7 Plusのカメラには、望遠側のデュアルレンズを使った「ズーム機能」と、一眼レフカメラのような背景ボケを擬似的に実現する「ポートレートモード」(2016年末にソフトウェアアップデートによって提供予定)の2つが大きな特色になっています。
今回はポートレートモードの説明です。「一眼レフカメラのような背景ボケを……」と言いましたが、これはいったいどういうことでしょうか。
まずざっくり言ってしまうと、背景がボケている写真とは、被写界深度が浅い写真であるといえましょう。被写界深度とは、ピントを合わせた部分の前後で、ピントが合っているように見える範囲のこと。被写界深度はF値(絞り値)、レンズの焦点距離、撮影距離(被写体とカメラの間の距離)で決まります。
つまり、F値が小さい、レンズの焦点距離が長い、被写体との撮影距離が近いほど、被写界深度は浅くなります。
従来のスマホカメラ、あるいはコンパクトカメラなどの場合、撮像素子が小さいため、レンズの焦点距離が短くなります。そのため被写界深度があまり浅くならず、ボケが目立ちません。それを見越して、近景から遠景まですべてピントが合って見えるような写真がきれいに撮れるように、最初から設計されていることが多いのです。
逆に、大きな撮像素子を搭載できる一眼レフカメラは、被写界深度の浅い写真が撮影しやすいのです。よって、背景をボカしたポートレートなどには、スマホのカメラやコンデジよりも、一眼レフカメラが向いている……といえるかと思います。
ピントを合わせたところはシャープに、それ以外はボケた、一眼レフカメラならではの写真。ポートレートモードは、それを擬似的に再現する機能ということになりますね。
それではiPhone 7 Plusの実力はどうでしょうか?
詳細は実機レビューを読んでほしいのですが、発表会の中では、マシンラーニング(おそらくは深層学習=ディープラーニング技術)で被写体を認識して、後ろの背景をボカすという処理をしているという趣旨の説明をしていたようです。
作例を見ると、人物の輪郭を境に背景だけが美しくボケていることがわかり、期待してしまいます。
一眼レフカメラ風の背景をボカすようなフィルター機能は、一部のAndroidスマートフォンにも搭載されているほか、それ風の加工をしてくれるアプリもありました。しかし、不自然な仕上がりになってしまうものも、少なくなかったように思います。
前述の作例のような美しさが、実際のポートレートモードでも見事にあらわれてくれるでしょうか。iPhone 7 Plusを入手したら、ワクワクして待ちたいところですね。
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