コンピューティングの未来を切り拓く新要素が欲しい
いやー、今回の発表を見て率直に思ったのは、iPhoneは円熟期に入って、より一般に向けて羽ばたいているということですね。FeliCaもステレオスピーカーも、ホームボタンにおけるタプティックエンジンも、Plusにおける2つのカメラも、いずれも「痒いところに手がとどく」的なアップデートで、今後もそんなにドラスティックに機能が変わることはないのかなということです。
でもジョブズ時代からMacやiPhone、iPadにおいてアップルが目指していたのは、いろいろ面倒なことをさせずに「一般の人が気軽に扱えるコンピューター」でしたよね。そういう意味でアップルは大成功していて、パレートの法則じゃないですが、8割のニーズはもう満たしてる。
ここ数年は、円熟の職人技的に、「あー、やっぱそこだよね」という感じで弱点を潰してきています。
ただ、一方で古くからのアップルファンとしては、イノベーションの会社であり続けてほしいという願いも抱えているわけです。Apple WatchでポケモンGO、iPhoneでマリオという「横綱相撲」も素晴らしいですが、AIやロボティクス、VR、ARなど、コンピューティングの未来を切り拓く新要素が欲しいなぁ……と思うのは贅沢でしょうか。
広田 稔(ひろた みのる)
VRジャーナリスト、パノラプロ代表取締役。アスキー(元KADOKAWA)にて雑誌の編集者、ウェブ媒体の編集記者を経験後、独立。アップルやインターネットサービスを専門に取材する中、昨今のVRムーブメントに出会い、2013年より取材を始める。その後、専門媒体の必要性を感じて2014年11月に「PANORA」を立ち上げ、VRエヴァンジェリストとして活躍する。
現在、毎週日曜日公開の「VRおじさんの「週刊VRかわら版」」をASCII.jpで連載中。
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