ニッポン放送×Cerevo×グッスマが手がける「Hint」とは
かっこいいラジオが欲しいというニーズから生まれた「ありえないラジオ」
8月26日に開催された「IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUP」の熱く盛り上がったカンファレンスセッション。その中から「ニッポン放送&Cerevo&グッスマが作る新ハード「Hint」中間報告」の様子を紹介する。
昼の12時から始まった「ニッポン放送&Cerevo&グッスマが作る新ハード「Hint」中間報告」のセッションでは、「Hint」の起案者でありニッポン放送のアナウンサー吉田尚記氏、デザインを担当したSF Inc.のメチクロ氏、設計を担当したCerevoの柴田健士氏が登壇した。
まずは、吉田氏がTwitterで使う本イベントのハッシュタグを公表。「#ascii_iot2」というハッシュタグを付けて、セッションの質問などのつぶやいてくれれば、質問を拾う可能性がある宣言。吉田氏は普段から生放送を担当しているので、手慣れたものだ。また、会場では「Hint」のBluetoothビーコンでクラウドファンディングのURLを配信するなど、IoTイベントらしい出だしとなった。
ラジオの商品開発ストーリーとは思えない「ありえない」内容ばかりのセッションについてお届けする。
ありえないポイント1
3社コラボで「ラジオをハック」
「Hint」はそもそも「ラジオをハックする」という想いからスタートしている。もはやレガシーと言ってもよさそうなデバイスをハックとはどういうことか。すると、吉田氏がラジオの歴史から解説してくれた。
「ラジオは1920年にアメリカで商業放送が始まりましたが、そこから何も変わってません。すごいデバイスなのに、実は誕生から100年しか経っていないんです。僕はラジオ屋として、まだまだラジオの可能性は掘り尽くされていないと本当に思っています」(吉田氏)
吉田氏は、大のガジェット好き。ラジオ局で働いているので、格好良かったり、面白いラジオがあれば、結構な金額まで出すつもりはあるそう。しかし、量販店に行っても一番高いラジオで9800円というレベル。Bluetoothスピーカーだと10万円近い製品もある中、なんで高級ラジオがないのかと不思議に感じ、ないなら作りたいと思っていたという。ちょっと普通ではありえない着眼点だ。
ある日、吉田氏はグッドスマイルカンパニーの安藝社長から変形するヘッドフォン「THP01」をもらった。その際、グッスマは今後もオーディオ系を作りたいと言っているのを聞き、吉田氏は「ラジオもオーディオ系ですよね」と突っ込んだ。そして、「THP01」をデザインしたメチクロさんを紹介してもらい、ニッポン放送に来てもらうなど、話が進み始める。この時が2015年の9~10月という。
「ニッポン放送はもともとモノを作ったことがない会社です。そんな中、欲しいといいだしたということで僕が担当になりました。最近、古い会社は新規事業をやれ!みたいなプロジェクトチームができがちなんですが、ご多分に漏れず今回のラジオも新規事業のカテゴリーです」(吉田氏)
これに対してメチクロ氏は、「そんな新規事業の相談をされることが多い」と発言し会場をわかせた。設計と生産を担当するCerevoの柴田氏は、ある程度コンセプトが固まった春ごろから参加。3社によるコラボで、ラジオをハックするというプロジェクトが走り出したのだ。
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