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なぜMCJグループはベンチャー支援をするに至ったのか

MCJとスタートアップの素敵な関係 動きの速い時代の“ものづくり”のために

2016年09月07日 07時00分更新

スタートアップ×MCJグループ
補完しあえる関係が、事業のチャンスを広げる

 ハードウェアスタートアップに不足する要素を、MCJグループの支援で補えることは理解できた。最後に話は「MCJグループはスタートアップ支援を行なうことで、どのようなリターンに期待しているのか」という核心に触れた。

テクノロジージャーナリスト 本田雅一氏がモデレーターをつとめた

 安井氏は「我々は金融会社ではありませんし、当然ながらハードウェアスタートアップを一方的な形のみで支援することはありません。製品開発・企画のアイデアを一緒に考えながら、ともに成長していけることを期待しています」と話す。開発のスピード感などベンチャーならではの要素を取り込むことが、かつてものづくりベンチャーとして創業し、上場から10年以上が経ったMCJにとって必要な起爆剤となるのだという。

 MCJの支援プロジェクトが形になれば、マウスコンピューターやユニットコムそれぞれの展開にスタートアップが紐付いてくる。例えばユニットコムなら、スタートアップ発の最新ハードウェアを販売店にいち早く置けるといった道が開けてくる。

MCJグループとして「ものづくりVB支援インフラ」を提供し、ともに成長をめざす

 10名以下あるいは2~3名で活動するハードウェアスタートアップは多い。数名の企業では販路開拓のほか、設置やトラブル対応も含めて展開していくことはまず難しいだろう。製品の完成から先は、どうしても後付けになってしまうもの。モデレーターを務めた本田氏も、ものづくりベンチャーに挑戦したときのことを「リソース不足に悩まされ、量産、販売、プロモーションまで経験していないこともすべてやらなくてはいけない大変さを実感しました」と振り返る。

 「動きの速い時代において、ひとつの企業がすべてに対応するには限界があります。ならば、それぞれの会社の強みに集中すべきだと思います。得意じゃない領域はどんどん外注すればいい。私たち自身も、製品は自社開発だけでなくスタートアップの皆さんとともに開発を進めていくことで、さらに面白い製品を作れると考えています。開発のスピード感も上がるでしょう。補完しあえる関係があれば、それだけチャンスも広がるのです」(安井氏)

 MCJの支援により、スタートアップ発のアイデアが今後多く具現化していくことだろう。ぜひ期待したい。

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